2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本人前立腺癌における疾患関連遺伝子座8q24の検討
Project/Area Number |
20591850
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
松井 博 Gunma University, 医学部, 助教 (40450374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 和浩 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80312891)
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Keywords | 前立腺癌 / 家族歴 / 遺伝子多型 / 一塩基多型 / マイクロサテライト |
Research Abstract |
2006年にアイスランド人の連鎖解析やアフリカンアメリカンの混合マッピング法から前立腺癌疾患関連遺伝子座として8q24が同定された。8q24に存在する一塩基多型rs1447295およびマイクロサテライトマーカーDG8S737の多型との間に強い関連が示されている。我々は日本人家族性および散発性前立腺癌とrs1447295およびDG8S737の多型との関連を検討することを目的として、実験を開始した。これまでにrs1447295の遺伝子多型についてはTaqMan SNP Genotyping Assayを用いてタイピングが可能であることを確認してあるので実際のサンプルを使用して実験を行った。家族性前立腺癌(FPC)134家系、散発性前立腺癌(SPC)158例、対照として前立腺肥大症患者120例についてrs1447295の遺伝子タイピングを実施した。rs1447295は"C"と"A"のアレルがある。それぞれの群の(対照、SPC、FPC)アレル頻度は"C"193(80.4%)、253(80.1)、189(70.5)、"A"47(19.6)、63(19.9)、79(29.5)であり、カイニ乗検定を行いました。FPC群は有意に"A"が多く(P=0.0099)、SPC群では有意差はなかった。"A"をリスクアレルと考え"CC"対"CA+AA"のゲノタイプで解析したところ、FPC群ではオヅズ比2.36(95%CI:1.41-3.94,P=0.001)と前立腺癌リヌクを増加する結果であった。次に1)診断時年齢60歳未満、2)GleasonSum>7、3)転移ありの群に分けてサブグループによる解析を行った。結果、1)2)ではFPC群においては"A"のアレル頻度が有意に高く(P=0.008,0.023)、3)については有意差が認められなかった。SPC群については、1)2)3)すべてに有意差が無かった。 以上のことにより日本人家族性前立腺癌においてrs1447295"A"アレルは前立腺癌リスクを増すことが分かった。今後、DG8S73についても順次タイピングおよび解析を行う。
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