2008 Fiscal Year Annual Research Report
血清中ヘパラナーゼ測定法の確立と抗ヘパラナーゼ薬による癌転移抑制療法の開発
Project/Area Number |
20591955
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
青木 陽一 University of the Ryukyus, 医学部, 教授 (40231774)
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Keywords | ヘパラナーゼ / 抗ヘパラナーゼ抗体 / ELISA / 血清中ヘパラナーゼ値 / 担癌患者 |
Research Abstract |
ヘパラナーゼ(Hpa)は、腫瘍細胞の転移・血管新生、さらに転移抑制療法との関連において注目されている。またHpaは分泌蛋白であるため、担癌患者の血清中に検出される。そこで婦人科癌におけるHpaの発現を免疫染色で確認し、癌患者血清中のHpa濃度を測定し、これが臨床病理学的特徴、転移、予後と関連しているかを確認することは非常に意義あることと考える。当該年度はELISAを用いたHpa濃度測定法を確立することとした。ELISA反応確認試験として、抗Hpa抗体と抗原である合成ペプチドで競合法ELISA反応を行った。HPR1ペプチドとして10〜1,000nmol/Lの範囲で濃度に依存する検量線を得ることができた。反応条件検討試験を行い、静置条件下での反応時間による影響を検討した結果、2〜3時間で十分な吸光度が得られ、HPR1濃度に依存する良好な検量線が得られた。反応時間として3時間が適当と判断した。Av-HRP反応時間は1時間、HRP反応時間は20分、Bio-HRP1濃度は2,5ng/ml、anti-HPR1濃度は500ng/ml、Avidin HRP濃度は10,000倍希釈が適当と判断した。血液サンプル測定の可能性を検討する上で、HPR1ペプチドを血漿に添加し測定を行った結果、PBSTに添加した場合と同程度の反応が確認された。抗Hpa抗体と合成ペプチドを用いたELISAを検討した結果、1)抗原ペプチド濃度として1〜100nmol/Lの範囲で定量が可能、2)血漿を用いたELISAも良好な反応を示し、血液サンプル測定への可能性が示された。今後、HPR1タンパクあるいは実際のサンプルを用いた検討を行うことで有用性の検証を行う予定である。
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Research Products
(4 results)