2010 Fiscal Year Annual Research Report
血清中ヘパラナーゼ測定法の確立と抗ヘパラナーゼ薬による癌転移抑制療法の開発
Project/Area Number |
20591955
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
青木 陽一 琉球大学, 医学研究科, 教授 (40231774)
|
Keywords | ヘパラナーゼ / 抗ヘパラナーゼ抗体 / ELISA / 血清中ヘパラナーゼ値 / 婦人科がん患者 |
Research Abstract |
ヘパラナーゼ(Hpa)は、腫瘍細胞の転移・血管新生、さらに転移抑制療法との関連において注目されている。またHpaは分泌蛋白であるため、担癌患者の血清中に検出される。そこで婦人科癌におけるHpaの発現を免疫染色で確認し、癌患者血清中のHpa濃度を測定し、これが臨床病理学的特徴、転移、予後と関連しているかを確認することは非常に意義あることと考える。一昨年度は抗Hpa抗体と合成ペプチドを用いたELISAを検討した結果、1)抗原ペプチド濃農として1~100nmol/Lの範囲で定量が可能、2)血漿を用いたELISAも良好な反応を示すことを確認した。昨年度は、血液サンプルでの測定が可能かどうか、Hpaタンパクと血清サンプルを用いた検討を行った。血清サンプル反応性評価検討試験として、抗HPR1抗体と合成ペプチドとの組み合わせで得られた競合法ELISA反応を用いて血清中Hpaの測定を評価検討した。Hpa ELISAキットを用いて血清サンプルの測定を行った結果、良好な添加回収率、希釈直線性が得られた。本キットを用いて血清中のHpaを定量することが可能であると判断した。 本年度は臨床研究倫理審査委員会での承認を得たので、愚者血清での測定を行った.子宮頸癌12例、子宮体癌6例、卵巣・卵管・腹膜癌4例の患者血清を採取し、Hpa濃度は卵巣・卵管・腹膜癌患者で高値を示す傾向を認め、また、各癌種内では、進行期が進むにつれ、より高値となる傾向が認められた。さらに多数例での解析が必要と考えられる。
|
Research Products
(12 results)