2010 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクス解析による子宮頸癌の放射線治療抵抗性予測
Project/Area Number |
20591956
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
安里 剛 琉球大学, 医学研究科, 助教 (40253950)
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Keywords | 子宮頚癌 / 放射線治療 |
Research Abstract |
琉球大学病院は年間150を越える子宮頸癌症例を主に化学療法放射線療法同時併用療法CCRTにより治療している。CCRTの予後因子としてFIGO分類や腫瘍径は重要であるが、治療成績の向上には、他の因子の解明も必須である。CCRTか手術かといった選択にも予後因子の解明が待たれる。例えばIII期症例の手術は容易でないが、CCRTにとっても限界領域である。CCRTへの応答性により(A)complete-、(B)partial-、(C)poor-responderの3群に分類出来るが、(C)群の予後は極めて厳しい。しかし、各群の生検病理組織像には差がないため(C)群の予知はできない。何らかのマーカーにより(C)群症例を予知出来れば、CCRTでなく術前化学療法により癌の縮小をはかった上で手術を行い良好な予後が得られる症例もありうる。また、I期症例で放射線抵抗性が予知できればは、ためらわず手術を選択することが可能である。そこで本研究では主にIII期扁平上皮癌症例について放射線治療抵抗性マーカーについての解析を進めており、現在、病理診断用のホルマリン固定パラフィン包埋組織に着目している。核酸や蛋白質の抽出が容易でない上、チップ技術など近年の網羅的遺伝子解析手法に応用できないため顧みられることがなかったが、質量分析機の性能向上とペプチド抽出技術の進歩によりプロテオミクス解析が実用レベルに成熟した。これを応用して放射線抵抗性例3例と感受性例3例を解析した結果、各症例でおおむね共通の約400の蛋白質が検出された。このうち、16種類の遺伝子が放射線抵抗性例のみで検出され、逆に8種類が感受性例のみで検出された。上記16種類のうち複数が放射線抵抗性に関与すると考えており、継続して検討してゆきたい。
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Research Products
(2 results)