2010 Fiscal Year Annual Research Report
だまされる視覚~3次元視覚刺激による空間識の錯乱~
Project/Area Number |
20591971
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高橋 克昌 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30326839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 信彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80107606)
岡宮 智史 群馬大学, 医学部, 助教 (70455963)
島田 哲明 群馬大学, 医学部, 助教 (80455964)
村田 考啓 群馬大学, 医学部, 医員 (10569875)
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Keywords | 空間織 / 視覚 / 前庭覚 / 錯覚 / めまい / MST / 平衡障害 |
Research Abstract |
【研究の目的】 視覚の誤入力によって生じる空間織の錯乱が、めまい感を惹起するか調べる。視覚刺激によるめまい感に眼球運動(眼振)が伴うか検討する。 【研究の成果】 より強い視覚刺激を提示するために、ドーム型スクリーンとリア投影のプロジェクター、頭部固定台を組み合わせた。周辺視野150度程度をカバーし、より没入感がでる擬似空間を作りだした。めまい感を定量的に測定するため、眼球運動をVideo-Oculographyで記録した。めまい感を知覚する時に生じる僅かな眼球偏位を、記録するため、従来は60Hz(1秒間に60枚の静止画)で構成される動画を、154Hzの高速で記録できるよう改良を加えた。被検者はめまい疾患の既往のない28歳から41歳までの男性6人で、ランダムドットが直線運動(上下左右)、回転運動(左右回り)を繰り返す刺激を注視しつつ、眼球運動を記録した。視覚刺激と反対方向への眼球偏位が生じた後に、眼球は停止し、直後にめまい感を自覚した。繰り返し刺激を続けると数秒でめまい感は消失し、再び反対方向に眼球は動き出すも、刺激を注視する集中力がなくなると、眼球運動もめまい感も停止した。注視を呼びかけて注意を促すと、繰り返す反対方向への眼球偏位と数秒のめまい感を反復した。視野中央に静止して動かない注視点(1度の赤色点)を投影すると、眼球偏位もめまい感も生じなかった。周辺視野に注意を払わず、正面の注視点のみに意識を集中すると視運動刺激によるめまい感は弱く、予告なくいきなり周囲の視野が動いたとき、強いめまい感が惹起された。視覚刺激によるめまい感は意識(注意力)と反比例すると予測された。
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Research Products
(5 results)