2008 Fiscal Year Annual Research Report
好酸球性中耳炎の病態解明による難治性中耳炎に対する治療戦略
Project/Area Number |
20591995
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
中川 尚志 Fukuoka University, 医学部, 教授 (70274470)
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Keywords | 好酸球性中耳炎 / Th2細胞性炎症 / Th1細胞性炎症 / 自然免疫 / IL-5 / IL-13 |
Research Abstract |
本研究では好酸球性中耳炎の炎症病態を明らかにすることが主たる目的である。 平成20年度研究で、好酸球性中耳炎の局所炎症反応は当初、Th2細胞性炎症によるものと考えられていた。しかし、本研究によって、Th2細胞性炎症のmain playerである好酸球に加えて、自然免疫、Th1細胞性炎症の主体である好中球の増加がみられた。しかも、その増加はTh2細胞性炎症を示す好酸球を上回っていた。しかし、耳漏の量が増加したときの炎症細胞を数えてみると、相対的にTh1細胞性炎症の割合が増えるが、Th2細胞の絶対数も増大することなどが明らかになった。同時に炎症性サイトカインを測定した。当初予定していた蛍光マイクロビーズアレーシステムでは感受性が高くない場合があり、一部の検体を従来のELISAを用いて、確認せねばならなかった。この結果、Th2細胞性炎症によってでてくるIL-5とIL-13の増加がみられた。IL-5は前例で増加しており、臨床で役に立つ活動性のindexとなりうる活性物質の候補としてあげられるが、アレルギー性鼻炎を合併している慢性中耳炎の耳漏でも高値のことがあり、その特異性が100%といかなかった。このため、本研究のメインテーマのひとつである容易な診断のためには、他の活性物質と組み合わせることで特異性をあげることができないか、検討を継続する必要がある。
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Research Products
(1 results)