2009 Fiscal Year Annual Research Report
小児固形腫瘍,特に小児肝癌における腫瘍感受性遺伝子ならびに関連因子に関する研究
Project/Area Number |
20592092
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
池田 太郎 Nihon University, 医学部, 助教 (00318396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永瀬 浩喜 日本大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (90322073)
杉藤 公信 日本大学, 医学部, 助教 (10328750)
古屋 武史 日本大学, 医学部, 専修医 (20568539)
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Keywords | 小児固形腫瘍 / DNAメチル化 / 癌関連遺伝子 / MassARRAY epityper法 |
Research Abstract |
マウスにおける精巣特異的DNAメチル化変化領域と肝癌、皮膚癌、肺癌のモデルマウスにおける腫瘍特異的DNAメチル化変化領域のヒト相同領域の存在はUCSC genome browserを用いて検討した。その結果、57領域にヒト相同領域を認めた。我々はこれらの領域を癌関連遺伝子の候補遺伝子として選定した。 上記で選定した候補遺伝子はMassARRAY epityper法を用いて神経芽腫(腫瘍組織9例、非腫瘍部副腎組織2例)、肝芽腫(腫瘍組織8例、非腫瘍部肝臓組織6例)、腎芽腫(腫瘍組織4例、非腫瘍部腎臓1例)で検討した。その結果、非腫瘍部と比べて神経芽腫において57遺伝子中4遺伝子(SLC16A5遺伝子、ZNF206遺伝子、ZAR-1遺伝子、NR4A3遺伝子)、肝芽腫、腎芽腫において14遺伝子中1遺伝子(ZAR-1遺伝子)でメチル化の変化を認めた. さらに神経芽腫では上記で変化を認めた領域であるSLC16A5遺伝子については27症例に検体数を増やして追加検討をした。方法は既存の予後因子との比較をするとともにreal time RT-PCR、免疫組織染色を行い、発現とメチル化の相関を検討した。その結果、メチル化の変化が予後因子と相関を認めた。また同遺伝子の発現は神経芽腫腫瘍組織で低下しており、SLC16A5遺伝子については現在、発現安定株を作成しその腫瘍での機能(腫瘍増殖への関与、アポトーシスへの関与、薬剤耐性への関与)について検討を開始している。 今後、ZNF206遺伝子、NR4A3遺伝子についても神経芽腫における臨床情報との相関を検討するとともにSLC16A5遺伝子同様に神経芽腫細胞株を用いて発現安定株を作成し、神経芽腫でその機能を検討する。また神経芽腫、肝芽腫、腎芽腫で共通にメチル化の変化を認めるZAR-1遺伝子においても同様に検討していく予定である。
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Research Products
(2 results)