2010 Fiscal Year Annual Research Report
腸管機能障害で惹起される中心静脈栄養関連肝障害の肝細胞周期制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
20592094
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田附 裕子 自治医科大学, 医学部, 講師 (10397698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 貢作 自治医科大学, 医学部, 教授 (60332756)
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Keywords | 腸管機能障害 / 中心静脈栄養 / 肝機能障害 / 細胞周期 |
Research Abstract |
平成20年から平成22年度にかけて、機能性消化管障害で惹起される中心静脈栄養(TPN)関連肝機能障害の肝細胞周期への影響に注目し、またかかる肝細胞周期の変化に伴う細胞増殖調節因子の発現の変化に注目し研究を行った。結果、中心静脈栄養により惹起された肝障害は、腸管機能障害モデルで有意に発現した。かかるモデルの障害肝では有意に認めた肝細胞周期制御にかかわる因子の発現の変化とともに細胞増殖調整因子(PPARs)の発現も変化した。また、アゴニストの投与(チアゾリジン誘導体)により肝障害は改善した。また、脂肪製剤の投与の有無により、肝細胞におけるPPARsの発現には差がみられたことより、腸管機能障害時の肝細胞障害には、病理学的にも2種類のパターンがあることが判明した。しかし、特定の因子の決定には至らず、ノックアウトマウスを使用した実験には至らなかった。 一方、脂肪製剤による代謝関連因子の発現に着目すると、アディポネクチン系の発現にも興味深い変化がみられることが分かり、この肝機能障害の病態は、カロリー過剰や脂肪不可やMASHなどの病態において生じている病態とは相違していた。腸管不全患者における長期中心静脈栄養の合併症である肝機能障害は、代謝面からのアプローチで分子生物学的にコントロールできる可能性がある。
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Research Products
(3 results)