2008 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質における成長線の周期性と生物時計との関連:メラトニンによる調節
Project/Area Number |
20592168
|
Research Institution | Kochi Gakuen College |
Principal Investigator |
三島 弘幸 Kochi Gakuen College, 医療衛生学科, 教授 (30112957)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 信雄 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 助教 (60242476)
服部 淳彦 東京医科歯科大学, 教養部, 教授 (70183910)
田畑 純 東京医科歯科大学, 院医歯学総合研究科, 准教授 (20243248)
|
Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 歯学 / 成長線 / メラトニン |
Research Abstract |
歯や歯胚におけるメラトニンの産生の有無や成長線との関連はほとんど解明されていない。本研究ではメラトニンと象牙質における成長線の周期性との関係を解明し、その作用機序を探ることを目的とする。 初年度では、メラトニンの発現における日内変動の解析を試みた。出生後3日・4日令のSDラット(歯冠形成期)を用いて昼間と夜間での歯胚組織におけるメラトニンの発現量の変動を調査した。また、出生4日令の夜間時にラットを屠殺し、切歯の脱灰組織切片を作製した。同時に、ラット切歯象牙質の成長線における暗帯と明帯の間隔と測定した。成長線の化学組成や結晶組成の調査するために、EPMA、顕微レザーラマン分光装置などによる分析を行った。 1)歯胚組織におけるメラトニン受容体の遺伝子発現の検索 切歯と臼歯の歯胚組織において、メラトニンのレセプターMT1とMT2は発現していることが判明した。夜間(暗期)が昼間(明期)より発現量が高いという結果になった。特に、切歯ではこの傾向が高かった。 2)切歯組織標本の観察結果 夜間時の石灰化前線にヘマトキシレンに濃染する層が観察された。昼間に屠殺した試料では、石灰化前線は濃染されない。夜間に石灰化が進行し、ヘマトキシレンに濃染する層が形成され、昼間にヘマトキシレンに淡染する層が形成され、濃染層と淡染層が対になった成長線になると考察される。また濃染層と淡染層の間隔を形成すると、平均15.50±1.15μmであった。これはSchour & Masslerのサーカディアンリズムの成長線の間隔の結果とほぼ一致する。メラトニン受容体の遺伝子発現の実験結果と照合すると、成長線の周期性にメラトニンが関与する可能性が示唆された。 3)成長線の化学組成や結晶組成の調査 SEMの反射電子像の観察では、切歯象牙質に暗帯と明帯の対になった成長線が観察された。EPMA分析結果では、Ca, P,Mgの元素が検出され、暗帯と明帯では、それらの元素の密度に若干の差が認められ、明帯がより元素が密集していた。微量ながら暗帯でCaが含有量が減少し、逆にMgが増加していた。顕微レザーラマン分光装置において、961cm^<-1>にPO_4^<3->のピークが検出された。明帯で高いピークであり、暗帯で低いピークであった。この結果はEPMAの結果と調和的であった。
|
-
[Journal Article] Monohydroxylated polycyclic aromatic hydrocarbons inhibit booth osteoclastic and asteoblastic activies in teleost scale2009
Author(s)
Suzuki, N., Hayakawa, K., Kameda, K., Triba, A., Tang., Tabata, M. J., Takada, K., Wada, S., Omori, K., Srivastav, A. K., Mishima, H.,〓〓
-
Journal Title
Life Sciences 84
Pages: 482-488
Peer Reviewed
-
-
-