2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592211
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
泉 雅浩 Aichi Gakuin University, 歯学部, 准教授 (40212956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 宗孝 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (20167539)
有地 淑子 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60232063)
勝又 明敏 朝日大学, 歯学部, 准教授 (30195143)
横井 みどり 愛知学院大学, 歯学部附属病院, 診療放射線技師 (30424914)
有地 榮一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00150459)
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Keywords | 口腔乾燥 / ロボット / マッサージ / 治療 |
Research Abstract |
口腔乾燥症は唾液分泌機能の障害により、咀嚼、味覚、会話、嚥下など、日常生活の基本となる様々な口腔機能に悪影響を及ぼし、QOLを著しく低下させる。日本における潜在的患者数は数百万人と推定されており、早急に解決しなければならない医療上の大きな課題である。しかしながら、シェーグレン症候群や放射線治療後以外の口腔乾燥症に対しては系統だった治療法はなく、治療に関する積極的な研究もほとんど行われていないのが現状である。本研究は口腔乾燥症の治療に顎顔面用マッサージロボットを活用し、これまでにない安全で有効な治療法を確立することを目的とするものである。 本年度は初年度であり、マッサージ方法の予備実験から開始した。当初の計画では最初の3ヶ月で予備実験が終了する予定であったが、ロボットのマッサージ位置、範囲、動き、加圧する力や方向、頻度等を調整にしても、顕著な唾液分泌効果が得られなかった。また、ロボットへの付加機能として、低周波刺激による唾液分泌促進効果も計画していたが、100Hz以下の単一周波数では良好な唾液分泌の増加は得られなかった。本研究は唾液腺マッサージに熟練した歯科医師が行ったマッサージと同等か、あるいはそれ以上の治療効果を目指しており、予備実験の延長を余儀なくされた。 その後、数ヶ月、種々の検討を行った結果、唾液分泌に有効な周波数帯域が250-300Hz前後に存在する可能性が高いこと、また、温熱刺激で顕著に唾液分泌が増加することを発見した。温熱刺激は一般的なマッサージには利用されるが、唾液腺へ適用した例はないと思われ、本研究が世界初の試みとなる。来年度は、さらに検討を加え、唾液分泌のためのより効率的な刺激法を解明し、唾液腺マッサージロボットにこれら機能を付加することにより、ロボットの完成を目指す。
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