2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592211
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
泉 雅浩 Aichi Gakuin University, 歯学部, 准教授 (40212956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有地 淑子 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60232063)
有地 榮一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00150459)
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Keywords | 口腔乾燥 / ロボット / マッサージ / 治療 |
Research Abstract |
口腔乾燥症は唾液分泌機能の障害により、咀嚼、味覚、会話、嚥下など、日常生活の基本となる様々な口腔機能に悪影響を与え、QOLを著しく低下させる。本研究は口腔乾燥症の治療に顎顔面マッサージロボットを活用し、これまでにない安全で有効な治療法を確立することを目的とするものである。 本年度は、ほぼ研究実施計画どおりに研究を進める事ができた。本年度の研究成果の一つは、過去、ほとんど報告されていなかった温熱刺激が耳下腺の唾液分泌促進に非常に有効であることを発見したことである。刺激温度と刺激時間は40℃、2分で、健常者ならびに口腔乾燥症患者の唾液分泌が促進されることが明らかとなった。口腔乾燥症患者については、治療開始前と比べ顕著に唾液分泌量が改善しており、温熱刺激が一時的な唾液分泌促進のみならず、口腔乾燥治療にも有効である可能性が高いことがわかった。本治療法の安全性については、20名以上の対象者に温熱刺激を施行してきたが、これまでの研究期間において有害事象が生じた症例はなく、安全かつ有効な新治療法の確立へと大きく前進したと思われる。尚、当初計画していた低周波刺激では十分な唾液分泌効果が得られなかったため、今後は温熱刺激を中心に検討を行う予定である。 もう一つの研究成果は、耳下腺導管の走行をCT画像を基に分析し、耳下腺導管に閉塞を起こしやすい患者は、耳下腺開口部付近の導管が大きく湾曲していることを明らかにしたことである。口腔乾燥症患者にも閉塞を起こしやすい患者が多く、この研究成果は、ロボットのマッサージ部位の決定や、有効なマッサージ方法を選択する上で非常に重要な根拠になると考えられる。 以上の研究成果は顎顔面マッサージロボットの改良に有用であり、また、学術的にも価値のある研究成果であり、最終年度へ向けての準備としては満足のいく成果が上げられたと思われる。
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