2010 Fiscal Year Annual Research Report
Enamel Proteinsによる修復象牙質形成のメカニズム解明に関する研究
Project/Area Number |
20592233
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
中村 幸生 明海大学, 歯学部, 教授 (40207931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 研 明海大学, 歯学部, 助教 (70343457)
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Keywords | Enamel Proteins / 修復象牙質 / メカニズム / 創傷治癒 |
Research Abstract |
本研究は、Enamel Proteinsが修復象牙質を形成する新生象牙芽細胞を中心とする硬組織形成細胞に対して直接的に働きかける能力を有していると考え始められた。しかし、修復象牙質形成を創傷治癒という観点から見直し、血管新生に対する効果を検討したところ以下の結果を得た。 すなわち、HUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)に対するEMDを以下の方法で検討した。 実験1. Cell Proliferation : HUVECにEMDを添加した後に培養を行い、cell proliferationの観察をWST-1 assayを用いて試行した。結果は、EMDを添加して培養した場合の方が、細胞数の増加を認めた(P<0.05)。 実験2. Migration of HUVEC in a wound closure model : HuMedia EG2 mediumで培養された細胞は、24時間後にwoundedを形成した。その後、HUVECEMDを添加して培養した細胞は、露出された創面に移動し、時間の経過と共に創面を補っていった。創面の閉鎖は僅かであるが、EMDを添加した方が早かった。 実験3. : HUVECにEMDを添加して培養を行い、経時的にMMP-2, MMP-3, VEGFの発現量をELISAとRT-PCRで観察した。するとMMP-2に関して、12時間後、24時間後、48時間後と発現量の増加が認められた。しかも各段階においてDose responseの傾向も示された。しかし、MMP-3とVEGFの発現量に、変化は認められなかった。 血管新生には、基底膜を選択的に分解するMMPsにはゼラチナーゼ群(MMP-2,MMP-9)が関係することが知られている。今回の結果から、Enamel Proteinsには、血管新生という形式から創傷治癒に関与し、歯髄においては修復象牙質形成メカニズムに関与しているものと推察された。
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Research Products
(3 results)