2009 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症発現の寄与因子としてのTCHの役割をNIRSで探る
Project/Area Number |
20592277
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
船登 雅彦 Showa University, 歯学部, 講師 (10146897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 良一 昭和大学, 歯学部, 教授 (80092435)
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Keywords | 顎関節症 / 常時歯牙接触癖 / 筋電図 / 認知科学 |
Research Abstract |
無意識のうちに歯を接触させてしまう癖(Tooth Contacting Habit : TCH)を行っている者において,行動発現の統合的処理系としての大脳皮質前頭前野がどのような役割を担っているかを調べた.TCHの検出はビデオ記録システムにより被験者の口唇,下顎の動きをモニターし,同時に筋電図計測することにより行った.実験は読書集中課題時に被験者の顔面部のビデオ撮影,咬筋ならびに顎二腹筋前腹の筋電図および前頭前野のNIRSの同時計測を行った。被験者は,研究協力への同意の得られた健常有歯顎者6名(男性4名,女性2名,平均年齢28歳)である.測定は静寂な実験室において計測装置設定後に,1分間の安静状態をとらせ,引き続き15分間連続で読書集中課題を実行させた8課題進行中はできるだけ自然環境とし,嚥下,咳,手の動きを自由に行わせた.全被験者に嚥下,咳,手の動きが観察されたが,それに伴う前頭皮質におけるHb濃度の変化は認められなかった,また,TCH自覚者は課題実行中にTCHに伴う口唇の動きおよび閉口筋の筋活動が観察されたが,TCHに伴う前頭皮質におけるHb濃度の変化は認められなかった.しかし,TCH自覚者は前頭皮質におけるHb濃度が初期の段階から低く,前頭機能の低下が明らかであった.以上の結果より,TCHと前頭皮質の機能的低活性(hypofrontality)とが関連している可能性が示唆された.
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