2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌胞巣内とその周囲間質へ浸潤するリンパ球の性質の相違とその機能的役割の解明
Project/Area Number |
20592325
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 文度 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (60204492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 賀子 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10444358)
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Keywords | 口腔癌 / リンパ球 |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌組織内には、数多くの免疫担当細胞の浸潤がみられ、癌免疫に関与することが知られている。そこで、口腔扁平上皮癌の癌胞巣内および癌間質それぞれに浸潤する免疫担当細胞の種類を同定し、その機能および役割、予後との関連について検討をすすめている。これまでに、初期の舌癌において、免疫担当細胞の浸潤を認め、癌実質および癌間質のそれぞれに浸潤する免疫担当細胞のサブセットが異なることを見出し、舌癌の癌胞巣内にPD-1陽性の抑制性CD8陽性T細胞やNK細胞の選択的浸潤がみられることを明らかにした。また、免疫抑制に関与する制御性T細胞の浸潤も認められ、CD4陽性CD25陽性CD69陰性Foxp3陽性制御性T細胞が癌間質に存在すること、制御性T細胞全体の細胞密度は予後に影響しないこと、Th2ケモカインレセプターのひとつであるCCR4陽性制御性T細胞サブセットにおいて、その細胞密度が増加すると予後が不良になることを明らかにした。現在は、癌胞巣内に浸潤しているCD8陽性T細胞、NK細胞、myeloid dendritic cell、plasmacytoid dendritic cellの数とその性質、癌周囲に浸潤してきているCD8陽性T細胞、NK細胞、myeloid dendritic cell、plasmacytoid dendritic cellの数とその性質を比較し、検討している。さらに、これらの細胞の存在とその性質、および癌治療後の予後との関連を統計的に検討している。
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