2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌のMultigene精密診断への重回帰モデルの応用
Project/Area Number |
20592354
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
永田 昌毅 Niigata University, 医歯学総合病院, 講師 (10242439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星名 秀行 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30173587)
新垣 晋 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30134943)
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Keywords | バイオマーカー / 口腔癌 / 転移 / リアルタイムPCR / 扁平上皮癌 |
Research Abstract |
【対象患者】 1.舌、頬粘膜、口底および上下顎歯肉の扁平上皮癌症例を分析の対象とした。何れも患者同意を得た上で生検もしくは手術時切除標本の一部を保存液RNALaterに浸漬し保管した。 2.Trizol試薬にて通常のtotalRNA抽出を行い、逆転写反応でcDNAを合成した。 3.患者の治療方法や病理所見、再発や転機についてデータセットを作成した。 【対象遺伝子の発現解析】 前年度に引き続き、マイクロアレイ発現解析結果からリストした解析対象遺伝子のうちテトラスパニン遺伝子、サイクリン遺伝子、サイクリンインヒビター遺伝子、ハウスキーピング遺伝子、細胞骨格アンカー遺伝子、ケラチン遺伝子の発現レベルをリアルタイムPCRにより定量解析した。症例選択は制御不能死亡症例と基本的に5年経過症例を選定して遺伝子発現データと臨床パラメータの統計学的に解析した。引き続き新たな症例の資料収集と臨床データの集積を進めた。MMP遺伝子群、サイクリン遺伝子群、インテグリン遺伝子群、テトラスパニン遺伝子群に有意な関連性が見出された。とくにテトラスパニン遺伝子のいくつかについては、リンパ節転移との関連が示され、バイオマーカーとしての可能性が定量的発現解析として示唆された。今後の口腔扁平上皮癌あるいは体の多部位に生ずる扁平上皮癌の早期診断を実現するために、これらの結果は有用である可能性が提示された。今後の臨床前向き試験の計画立案における基礎臨床データの集積が進められた。
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