2010 Fiscal Year Annual Research Report
胃食道酸逆流モデルラットにおけるブラキシズム様運動を誘発するメカニズムの解明
Project/Area Number |
20592406
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
上村 裕希 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (50464467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 正一 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (80295807)
乾 明夫 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (80168418)
永田 順子 宮崎大学, 医学部, 講師 (50264429)
大牟禮 治人 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 講師 (00404484)
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Keywords | 歯科矯正学 / 胃食道逆流 / ブラキシズム |
Research Abstract |
ブラキシズムは過去一世紀以上にわたり注目されてきたが、現在でも根本治療はもとよりその原因すら解明されていない。本研究の目的は、申請者らがヒトを用いて「胃食道逆流による咽頭・食道の酸刺激によってブラキシズムが惹起され、その結果唾液が分泌され、これを嚥下することにより食道内の胃酸が洗い流される」と報告した先進的な知見について動物実験で検証し、ブラキシズムの発現メカニズムを解明するものである。 ラット食道へ化学物質刺激を直接行う必要があったため、ラット鼻腔から食道下部括約部へカテーテル(PE-10)を挿入した。さらに食道下部括約部に同定したカテーテルが、食餌などの日常活動によってずれないよう、鼻部カテーテルを結紮して固定した。同ラットに咀嚼筋筋活動をモニタリングするための電極を咬筋に設置し、食道下部へ各種の化学物質による刺激を与え、咬筋筋活動を記録した。これらの結果は「第5回九州矯正歯科学会学術大会」で報告した。 上記の胃・食道刺激モデルラットを用いて、生理食塩水とペプシンをそれぞれ5日間連続で昼夜2回・約10分ずつ(1.0ml/h)食道下部へ注入し、咬筋筋電位(EMG)とビデオで記録した。保存したデータからスペクトル解析を行った。食道刺激モデルラットの咬筋EMGは、5日間連続で良好な波形を呈し、食餌等の活動に伴う筋活動やブラキシズム様音に伴う咬筋活動(ブラキシズム様エピソード)を確認できた。また、生理食塩水による刺激と比較して酸・ペプシンによる刺激では、ブラキシズム様エピソードが明らかに長時間、高頻度に認められ、本研究から、胃食道逆流時に含まれる酸・ペプシン溶液の刺激によってブラキシズム様運動が増加することが示唆された。この結果は「第69回日本矯正歯科学会大会」で報告した。
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