2010 Fiscal Year Annual Research Report
食道内への胆汁逆流が睡眠時ブラキシズムに及ぼす影響を明らかにする研究
Project/Area Number |
20592409
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大牟禮 治人 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 講師 (00404484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 正一 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (80295807)
坪内 博仁 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (60145480)
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Keywords | ブラキシズム / GERD / DGOR / pH / RMMA |
Research Abstract |
本研究では、食道内への化学的刺激が睡眠障害や睡眠時ブラキシズム(SB)の発現に及ぼす影響を実験的に検討した。 対象と方法:対象は健康な成人男性12名(平均24.2歳)を対象に、咬筋筋電図、食道内pH計測および睡眠ポリグラフ検査を4晩連続で行った。2晩目のデータをSBと睡眠障害の診断に使用し、3晩目と4晩目に酸性液(pH1.2 HCl)と生理食塩水を経鼻カテーテル経由で食道内に各晩3回以上注入した。酸と生理食塩水の順序は被験者に伝えずランダムに決定し、non-REM睡眠段階2で、1回あたり5mlを1分間で注入した。2回目以降の注入は前回の注入から20分以上経過し、食道内pHの上昇後に行った。各液体注入後20分間の食道内pH、咬筋筋電図バースト、RMMAエピソードおよび歯ぎしり音の頻度を比較した。 結果:2晩目のデータからSBや睡眠障害を呈する者はいなかった。酸性液と生理食塩水の注入で睡眠時間、睡眠効率、各睡眠段階の割合などの睡眠データに有意差を認めなかった。酸性液注入後の20分間で食道内のpHは有意に上昇し、生理食塩水に比べ微小覚醒、筋電図バースト、RMMAエピソードおよび歯ぎしり音の頻度が有意に高く、酸性液注入によるSBの発現頻度はSBの実験的診断基準を満たしていた。繰り返し刺激による影響については、1回目に比べ2回目と3回目の酸刺激後では筋電図バーストや歯ぎしり音の頻度が有意に高かった。 本研究の意義と重要性:本研究の結果から、1)食道内への化学的刺激(酸刺激)がSBを引き起こすこと、そして2)化学的刺激の回数を重ねるに従い反応が亢進することが示された。この結果は、食道内に対する化学的刺激を遮断するアプローチを通してこれまで困難であったSBの根本療法が可能となる可能性を示唆している。
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Research Products
(5 results)