2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の起立・歩行機能と姿勢制御機能に及ぼす足趾ケア効果の検証
Project/Area Number |
20592486
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本田 育美 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (30273204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江川 隆子 京都大学, 医学研究科, 教授 (40193990)
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Keywords | フットケア / 看護技術 / 高齢者 / 歩行機能 / 姿勢制御 |
Research Abstract |
本研究では、生活援助技術の1つとされている「足趾ケア」が、高齢者の起立動作や歩行、特に転倒予防における姿勢制御機能の面で、どのように働きかけているのか検討することである。特に、高齢者に提供される'足趾ケア'の身体的効果を、運動力学の評価を取り入れ転倒予防という視点から解き明かしていくことを目的とする。そこで、平成20年度は、(1)高齢者用の歩行・起立動作と姿勢制御能に関する評価方法の検討、(2)健康高齢者を対象とした'足趾ケア'による変化の検討を計画として挙げた。 1. 計測機器の改良および測定項目の検討:座位姿勢で足趾間力の計測可能であるか否か、座高面が調整可能な市販椅子を用いて検討を行った。健康者の足趾間力は、十分に計測可能と判断できた。しかし、足趾間力の変化については、微細な力の変化を十分に反映することはできなかった。そのため、介入効果を判断していく指標ではなく、足趾力の状況を判断していく指標とすることとなった。 バランス機能およびバランス制御能に関する計測は足底荷重状況と重心軌跡、ファンクショナルリーチとし、その他、自覚症状に関する質問および足状態に関する観察を測定項目にしていくことなった。 2. 健康高齢者を対象とした検討:60歳以降の健康高齢者男女5名を対象に、足趾ケアの提供による身体反応の違いについて6ヶ月間の継続介入調査を実施した。被験者の自覚症状(立位・歩行時の足裏感覚)ならびに外観からの皮膚・爪の状態においては改善傾向がみられた。しかし、計測データ(バランスおよび姿勢制御等)においては、変化はみとめられなかった。
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