2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の起立・歩行機能と姿勢制御機能に及ぼす足趾ケア効果の検証
Project/Area Number |
20592486
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本田 育美 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (30273204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江川 隆子 関西看護医療大学, 看護学部, 教授 (40193990)
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Keywords | フットケア / 看護技術 / 高齢者 / 歩行機能 / 姿勢制御 |
Research Abstract |
本研究では、「足趾ケア」が、高齢者の起立動作や歩行、特に転倒予防における姿勢制御機能の面で、どのように働きかけているのか検討することである。平成21年度は、昨年度に引き続き(1)健康高齢者を対象とした'足趾ケア'による変化の評価を行うとともに、新たに(2)施設内入所高齢者を対象とした'足趾ケア'による変化の検討を計画として挙げた。 1.健康高齢者を対象としたケア終了に伴う変化の検討:60歳以降の健康高齢者男女を対象に、足趾ケアの提供による身体反応の違いについて継続介入調査を実施した。足トラブル(爪白癬,腓腫)のタイプが異なる9名の高齢者を対象に、4週間毎に3ヶ月間フットケアを実施した。グループIは、爪白癬のみを有する高齢者であり、グループIIは胼胝のみを有する者、グループIIIはどちらも有しない者である。フットケア提供の結果、SCIOスコアで評価された爪白癬状態には変化は認められなかった。立位姿勢時の重心位置も変化なかった。立位時の足底圧においては、グループIとグループIIでは改善され、グループIIIでは変化なかった。このことより、爪切りを中心とするフットケアは、足底に胼胝を持つ高齢者の立位姿勢に影響を及ぼすだけでなく、爪白癬を持つ高齢者の立位姿勢にも影響を及ぼすことが示唆された。この成果については、看護介入としてのフットケアの効果として、2010年5月にThe NANDA-I/AENTDE International Congressにて報告予定である。 2.施設内入居高齢者を対象とした検討:平成22年3月末現在、施設内入所健康高齢者49名に対して足趾ケアの提供を行った。そのうち、6ヶ月を超えて追跡評価ができた者は、7名であった。被験者の自覚症状や外観からの皮膚・爪の状態においては改善傾向がみられたが、立ち上がり動作や立位・歩行動作での変化は確認されなかつた。
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