2008 Fiscal Year Annual Research Report
新卒看護職者の職場適応を支援するキャリア発達モデルの構築
Project/Area Number |
20592490
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 広枝 Kyushu University, 医学研究院, 教授 (60380383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 悦子 九州大学, 医学研究院, 教授 (60204905)
大池 美也子 九州大学, 医学研究院, 教授 (80284579)
長弘 千恵 九州大学, 医学研究院, 教授 (00289498)
長家 智子 九州大学, 医学研究院, 准教授 (70207976)
末次 典恵 九州大学, 医学研究所, 助教 (60363355)
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Keywords | 新卒看護職者 / 職場適応 / キャリア発達 / キャリア・アンカー |
Research Abstract |
1)医学中央雑誌Web版の看護系原著論文および企業における組織内キャリアの先行研究を対象に、新卒看護職者の職場適応に関する関連要因を抽出し、職場適応を支援する分析モデルを、(1)個人の要因(2)組織の要因(3)役割行動(4)キャリア結果の4つの概念によって構成した。新卒看護職者の職場適応は個人の要因と組織の要因のぶつかり合いの「過程」から役割行動が生まれ、その結果として組織と個人にとってのキャリア結果が生じ、キャリア結果は個人の要因や組織の要因に影響し役割行動を促進すると考えられる。分析モデルは、新卒看護職者の職場適応を促すためのアセスメントの特定や組織環境要因の調整、および個人のキャリア発達に貢献すると考えられる。 2)300床以上の500病院の教育担当看護管理者を対象に新卒看護職者の職場適応に関する質問紙調査を行った。回答率は218施設(回収率43.6&%)。調査の結果、教育担当看護管理者は新卒看護職者の職場適応に関して次のように認識していた。1.職場適応の時期は入職後9ヶ月か1年とした者が7割であった。2,職場適応状況は(1)笑顔の増加、(2)相談行動が取れる、(3)仕事が楽しいと表現する、の順で判断していた。3.職場適応時の心理状態は仕事の意味認識や仕事の責任認識は高いとしていたが仕事の成果把握は3割強の者が「あまり認識されていない」としていた。4.平成20年度職場適応対策で重視したものは(1)技術修得段階に応じたきめ細かな教育研修、(2)プリセプター以外による新人サポート体制、(3)新人の業務量の改善の順であった。5.職場適応への影響要因のうち個人要因は(1)人間関係を構築する力、(2)他者の意見を受け入れる力、(3)自分の能力・適性を把握する力、の順であった。組織要因は(1)新人教育システム、(2)良好な人間関係、(3)配属部署の組織文化・組織風土、の順であった。教育担当看護管理者は個別的・システム的な新卒看護職者の理解や、制度的・システム的・現実的な適応対策を重視する傾向が伺えた。
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Research Products
(1 results)