2010 Fiscal Year Annual Research Report
新卒看護職者の職場適応を支援するキャリア発達モデルの構築
Project/Area Number |
20592490
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 広枝 福岡大学, 医学部, 教授 (60380383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 恵美子 福岡大学, 医学部, 准教授 (30461536)
吉川 千鶴子 福岡大学, 医学部, 講師 (60461539)
須崎 しのぶ 福岡大学, 医学部, 助手 (20469381)
山下 千波 福岡大学, 医学部, 助手 (30469382)
川口 賀津子 福岡大学, 医学部, 助手 (40469383)
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Keywords | 新卒看護職者 / 職場適応 / キャリア発達 |
Research Abstract |
1)2009年12月に全国300床以上の病院の新卒2年目看護師を対象に実施した.卒後1年目看護師の所属部署への適合感と当時のキャリア志向性,役割行動・認知的心理状態・組織的要因・キャリア結果の関連の解明を目的にした無記名自記式質問紙郵送調査を分析した.対象は788名(有効回答率74.7%)で,女性737名,年齢は22歳が最も多く,キャリア志向で最も多かったのは「生活様式」387名であった.職場適応時期は「6~9ヵ月」が最も多く234名,年齢・キャリア志向による有意差があった(p<.01).入職部署の適合感は83.6%が「自分に合っている」と感じており,希望部署に配置された方が多かった(p<.01).個人の特性や背景とともに個人のキャリア志向やニーズを理解し,「なりたい自分になる」意思を尊重した組織のサポートが必要である.キャリア結果と役割行動(r=.608),上司のリーダーシップと組織環境(r=.575),組織環境と役割行動(r=.550),キャリア結果と組織環境(r=.513)が有意な相関を示しており,上司のリーダーシップや組織環境は役割行動に影響し,役割行動がとれているという認知はキャリア結果に繋がっている事が示唆された. 2)2010年11月に2年目看護師にフォーカス・グループインタビューを行い,録音した内容の逐語録を質的帰納的方法で分析した.新卒者の職場適応時の認識と行動は4カテゴリ《仕事ができるようになった》《居場所の実感》《看護の意味認識》《自律的な行動》,職場適応の影響要因は5カテゴリ《仕事に対する自己の能力の知覚》《職務遂行を促す同僚の支援》《組織的な新人教育》《新人と周囲とのつながり》《なりたい自分へ近づく学習》を抽出した.看護職者の職場適応は,個人の特性と環境因との相互作用に影響され,個人のキャリア志向は社会化が進展してから表出されることが伺えた.
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Research Products
(5 results)