2010 Fiscal Year Annual Research Report
占領期の看護管理政策に関する考察-GHQ/SCAP文書による歴史的分析-
Project/Area Number |
20592493
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
佐藤 公美子 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (30324213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 良子 国際医療福祉大学, 大学院・医療福祉学研究科, 教授 (60258845)
奥宮 暁子 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (20152431)
滝内 隆子 岐阜大学, 医学部, 教授 (10289762)
青木 涼子 東海大学, 健康科学部, 助教 (80328179)
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Keywords | 看護学 / 看護史 / 占領期 / GHQ/SCAP / 看護管理 |
Research Abstract |
本研究は,占領期のGHQ/SCAPによる看護改革を解明するために,病院管理と看護管理の政策に視点をおき,公衆衛生福祉局(Public Health and Welfare ; PHW)の看護課(Nursing Affairs Division)や医療課(Medical Service Division)の活動記録などから,その政策実施過程を明らかにし考察することである.平成22年度は,ワシントンD.C(U.S.A)のアメリカ公文書館(National Archives and Records Administration)所蔵の極東軍資料(日本未公開Box)と日本国立国会図書館(National Diet Library)憲政資料室所蔵のGHQ/SCAP Recordsより"Hospital Administration"に関するフォルダーから見出した史料の中から,特に日本の病院再編や看護管理の形成に尽力したAnna Rachel Manitoffの実績を報告した.従来の研究では,Manitoffは殆ど知られていなかったGHQ/SCAPスタッフであるが,筆者らの探究,報告によって新ためてその活動内容が注目されることになった.さらに,GHQ/SCAP,PEW局長のCrawford.F.Samsの日本の病院に対する問題認識を明らかにし,モデル病院と病院管理研修所の開設に至った検討過程や設立後の運営内容を実証した.また,日本側に政策実施の方法を指示したPHWスタッフやアメリカ本国においてSamsの要求に呼応し協力した人物など,占領下日本における病院再編のための実施過程を明らかにし,国内外の学会で発表し討論を重ねた.占領期における病院管理改革は今日に継続する制度の起点であり,1948年~1949年に設定されたモデル病院設置の政策や,病院管理研修所の管理コース(長期コース,短期コース)における実施過程については,さらなる解明が必要である
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