2009 Fiscal Year Annual Research Report
看護師の負荷を軽減する体位変換・移乗介助技術の病院環境への導入
Project/Area Number |
20592532
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
白石 葉子 University of Shizuoka,Shizuoka College, 講師 (10305500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 聡美 東京女子医科大学, 看護学部, 助教 (80442193)
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Keywords | 移乗介助用具 / 臨床 |
Research Abstract |
昨年度に行った、移乗介助実験の患者の関節角度の状態や文献から、患者の状態に合わせた移乗介助方法選択の基準案を作成した。A病院の整形外科病棟において、移乗介助が行われている患者の身体状況を中心とした調査を実施すると共に、基準案を適用し、ボードによる座位の移乗介助が適当と分類された患者に対して、看護師が従来からその患者に行っているマニュアルによる方法と、ボードによる移乗介助を実施し、結果について、看護師・患者にアンケート調査を行った。当初、看護師の負荷の指標として筋活動を用いる予定であったが、病棟の業務上困難であったため、主観的指標を用いて確認した。患者調査は期間内(3日間)に、病棟において移乗介助援助が必要だった患者11名について横断的に実施し、患者の基礎疾患には脳血管疾患が多く、麻痺などと同時に、脱臼・痙性・浮腫・理解力低下・半側無視・疼痛など、全例に注意を要する症状があることがわかった。ボードによる移乗方法が適当と分類された患者で、研究への参加の同意が得られた5名について、5名の看護師がマニュアルの方法と、ボードを用いた方法を実施したところ、看護師からはボードの方が手順の複雑さの短所はあるものの、腰部・腕・肩・足への負荷は軽減したという結果が得られた。言語的な反応が得られる患者からは、「用具を用いた方法の方が安心であり、希望する」という感想が得られた。しかし、基準案では、座位移乗に分類された患者の腰部の柔軟性や座位保持能力について、課題がある事がわかった。また、床上の患者の用具を用いた体位変換については、数例の患者に対して事例検討を行ったが、膝関節の屈曲や下肢の筋力によっても更に詳細な分類が必要である事がわかり、これらについては引き続き検討していく予定である。
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