2009 Fiscal Year Annual Research Report
進行非小細胞肺がんを持つ人のライフサポートプログラム開発に関する予備的研究
Project/Area Number |
20592534
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
濱田 珠美 Asahikawa Medical College, 医学部, 准教授 (00374273)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 洋子 旭川医科大学, 医学部, 特任助教 (30550660)
|
Keywords | 看護学 / 癌 / 臨床 / 肺がん / 症状経験 / 見通しを持つ |
Research Abstract |
昨年度の成果に基づき作成した質問紙試案(非小細胞肺癌の方の症状評価表)の作成の過程のうち、質問紙試案が実践の場での有用性を評価するため、表面妥当性、利用性などを評価までをすすめた。 通院または入院中で、化学療法を開始後2週以降の非小細胞肺がん(StageIIIBまたはIV)を持つ成人患者3名に質問紙試案(MDアンダーソン症状評価表(MDASI-J)13症状を含む28症状項目と日常生活の支障6項目:計34項目、0~10までの11段階評価)への回答を受け、回答時間、分かりやすさ、利用性(回答漏れの割合)を記述統計などにより分析評価した。 研究協力者は3名(2名男性、1名女性)で、診断を受け平均28.6ヶ月であった。標準的治療の様々な選択肢の間にあり、2人は第3選択、1人は第8選択までに及んでいた。回答時間は平均10.6分(範囲5分~15分)で終了した。回答漏れは、症状深刻さの項目は0%、症状による日常生活の支障は66%に見られ、歩くことを除く11項目に見られた。その理由は、どの時点の生活状況について問われているのかがわからない、つけ忘れであったことから、表面妥当性は概ね高いと評価した。 症状の深刻さの平均得点(SD)は、上位5項目で足の弱り5.0(4.3)、不安4.6(3.5)、悲しい気持ち4.3(4.1)、イライラ3.6(3.2)、息切れ3.3(2.3)と続いた。これらは、症状が深刻さの度合いが高く、標準的治療を受ける進行非小細胞肺がん患者にとって、重要な症状と判断できた。各症状の存在率は、100%に経験される症状が不安、悲しい気持ち、息切れ、口の渇き、味覚の変化、だるさ、痺れなどの10症状であった。考察すると、平均10分程度で回答できる質問紙試案は、回答への負担が適切な範囲であると判断できた。既存のMDASI-J 13症状項目と標準的治療を受ける進行NSCLC患者症状モジュール9症状で構成する質問紙とすることで、彼らの経験する重要な症状を包括する質問紙とできると考えられた。また、少なからず認知的機能に影響を受ける彼らにとって、教示文とフォントへの工夫を行うことで、実践の場で有用なツールと評価できた。
|
Research Products
(1 results)