2010 Fiscal Year Annual Research Report
進行非小細胞肺がんを持つ人のライフサポートプログラム開発に関する予備的研究
Project/Area Number |
20592534
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
濱田 珠美 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (00374273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 洋子 旭川医科大学, 医学部, 特任助教 (30550660)
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Keywords | 進行非小細肺がん / 症状クラスター / 標準的治療 / クラスター分析 / 探索的因子分析 / 機能的状態 / QOL / ライフ |
Research Abstract |
平成22年度は、進行非小細胞肺がん(Non Smll Cell Lung Cancer;以下、進行NSCLC)を持つ人のライフポートプログラム開発の基盤となる、標準的治療を受ける進行NSCLC患者の症状クラスターを識別し、ヘルスケアアウトカム(機能的状態・QOLとの関係を探索し、QOL低下を招かない看護ケアに知見を得ることを目的とした。対象者60名にM.Dアンダーソン症状評価表日本語版(13症状項目と6支障項目)と昨年度作成した標準的治療を受ける進行NSCLC症状モジュール(9症状項目)を使用し、症状と症状による支障を測定した。QOLは、EORTCQLQ-C30とLC-13(日本語版)を使用した。人口統計学的特性は患者、疾患と治療に伴う情報は電子カルテから収集した。症状クラスターを識別するため、主因子分析(プロマックス斜交回転法)とクラスター分析による探索的因子分析を行った。ヘルスケアアウトカムとの関係は、重回帰分析で評価した。 4つの症状クラスター:B(口の渇き、味覚の変化、眠気、だるさ・疲れ、食欲の喪失)、C(不安、悲しい気持ち、痛み)、D(睡眠の障害、吐き気、咳)、E(痺れ、足の弱り、ストレス)が高い存在率を伴う多様な症状経験に基づき識別された。これらは、機能的状態とQOLに影響していた(P<0.05)。標準的治療を受ける進行NSCLC患者の4つの症状クラスターのうち、<C:痛み関連>と推定でき、ヘルスケアアウトカムへの影響が最も大きいと示唆された。したがって、症状クラスターに焦点化したアセスメントによって複雑な症状経験を早期にとらえることが、QOL低下を招かない看護ケアに不可欠と考えられた。
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Research Products
(3 results)