2010 Fiscal Year Annual Research Report
若年乳がん生存者の情報ニーズに応じた支援プログラムの開発
Project/Area Number |
20592540
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮下 美香 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (60347424)
|
Keywords | 乳がん / 若年 / 情報ニーズ |
Research Abstract |
本年度は若年乳がん生存者の情報ニーズの充足度を明らかにすることを目的とし、平成20年度、平成21年度に実施した調査結果に基づき以下の通り調査を実施し、結果を得た。 1.対象 45歳以下で乳がんの診断を受けた女性とし、2つの医療機関で調査を実施した。 2.調査項目 情報ニーズ充足度(50項目の情報に対する満足度を「とても満足」「まあ満足」「やや不満」「不満」の4段階評定にて尋ねた。)、医学的変数、人口統計学的変数 3.結果と考察 307人へ調査票を配布し、230人(74.7%)より回答が得られ、そのうち有効回答が得られた201人(65.5%)を分析対象とした。調査時点の平均年齢は45.2±6.6歳、診断時の平均年齢は40.1±4.3歳であった。医療者からの情報の中で最も充足されていないニーズは「医療者とのコミュニケーション全般」であり、57人(28.4%)が「やや不満」/「不満」と回答した。また、診断直後の病期や治療に関する説明、治療選択のアドバイス、リンパ浮腫の情報、術後の検診の説明、退院後に生じる可能性のある症状、遺伝に関する情報、気軽に相談できる窓口の情報についても「やや不満」/「不満」と回答した人が20%以上を占めていた。乳がん経験者からの情報については、「得ていない」と回答した人が57人(28.4%)~154人(76.6%)であり、全体的に医療者と比較すると情報を得ていない人が多く見られたが、「患者会に関する情報」に対し「とても満足」/「まあ満足」と回答した人は78人(37.8%)と比較的少なかった。医療者とコミュニケーションをとる方法の情報を小冊子やインターネットなどを通じ提供すること、気軽に相談できる窓口を設置すること、患者同士の交流を促進することの必要性が示唆された。
|