2011 Fiscal Year Annual Research Report
若年乳がん生存者の情報ニーズに応じた支援プログラムの開発
Project/Area Number |
20592540
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮下 美香 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (60347424)
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Keywords | 乳がん / 若年 / 情報ニーズ |
Research Abstract |
交付申請時、本研究では若年乳がんサバイバー(45歳以下で乳がんの診断を受けた女性)の情報ニーズを探索し、その結果に基づき情報ニーズに応じた支援プログラムを開発することを目的とした。 本年度は、本研究課題の最終年度に当たり、「情報ニーズに基づき構成した支援プログラムの実施と評価」を目指した。平成20年度~平成22年度に実施したフォーカスグループディスカッションおよび質問紙調査により、若年特有のニーズであり、かつ充足されていない(当事者が満足していない)ニーズとして、「ホットフラッシュに関する情報」が導き出された。「ホットフラッシュ」は、乳がん治療によりもたらされる有害事象の「更年期障害」の一つであり、身体的、心理社会的に多大な苦痛をもたらし、QOLを低下させる。特に、乳がんのためホルモン療法を受けた女性の方は、乳がんを経験していない女性に比べ、ホットフラッシュの頻度が高く、程度も強いと言われている。従って、若年乳がん経験者のQOLを維持向上させるために、ホットフラッシュを予防、マネジメントすることは重要と言える。そこで、乳がん治療によりもたらされるホットフラッシュに関するエビデンスを文献検討により抽出し、本研究課題において作成したホームページにおいて、ホットフラッシュの概要、出現のメカニズム、有効と考えられる対処について公表した。今後、公表した情報に対する評価を当事者および医療者等より受け、より効果的に、正確な情報を提供するシステムを発展させ、若年乳がんサバイバーのQOLを維持向上させることの必要性が示唆された。
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