2010 Fiscal Year Annual Research Report
緩和ケアに携わる看護師の継続教育支援‐アクションリサーチによる介入と評価‐
Project/Area Number |
20592543
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
砂川 洋子 琉球大学, 医学部, 教授 (00196908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
照屋 典子 琉球大学, 医学部, 助教 (10253957)
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Keywords | 緩和ケア / 看護師 / 教育支援 / アクションリサーチ |
Research Abstract |
(目的)2007年、がん対策基本計画では、その重点目標のひとつに医療従事者の人材育成が喫緊の課題として挙げられている。(方法)22年度の本研究では、沖縄県内(離島地域を含む)の総合病院に勤務する看護師を対象として「緩和ケア研修会2010」を実施し、その教育効果を検証及び今後の教育支援の課題を明らかにすることを目的とした。2010年9月から10月にかけて、県内1か所(拠点病院での開催)と離島2か所の地域で、緩和ケアに携わり参加希望の得られた看護師を対象として、1日間の緩和ケア研修会を実施した。プログラム内容は、20年度の調査結果より、看護師が抱く困難感の項目として抽出された項目(疼痛緩和、患者・家族の精神的ケア・意思決定支援、在宅移行支援)などに加え、21年度の研修後の学習希望(倫理的調整、リンパ浮腫ケア)の項目などにより構成した。受講後は、これらの項目を含めた24の設問に関して、(全くあてはまらない~非常に当てはまる)の5段階評定により調査を実施し記述統計を行った。なお、調査にあたっては、対象者に調査の主旨、プライバシーの保護や学会への公表を文書と口頭にて説明し同意を得た。(結果)参加者は83であった。研修会受講後は、「緩和ケアの概念」、「疼痛緩和の知識や技術」、「症状緩和の知識」、「リンパ浮腫ケア」、「倫理的ジレンマ」、「在宅療養移行支援」のいずれの項目で、その得点は有意に上昇していた(p<0.05)。さらに、研修会全般に関するアンケートでは、受講者の約8割が、講義のみだけではなく、ロールプレイやグループワーク、実技を取り入れた形式は良かったと評価しており、研修会の内容は概ね期待していたものと一致していたと回答していた、また、自由記載からは、「内容が盛りだくさんであり、1日間では短いので2日間にしてほしい」「日頃悩んでいることをグループワークを通して共有できて良かった」陣例検討などもできて深い学びになった。普段の自身のケアを見直す機会になった」「離島では、このような研修の機会がないので、今後も是非続けてほしい」などの意見が挙がっていた。(意義)今回、昨年度より引き続き、緩和ケア研修会プログラムを構築して、沖縄本島及び離島地域で、緩和ケアに携わる看護師の教育支援を実施しその教育効果を検証することができた。受講後は、大部分の項目で、その得点は有意に上昇しており教育効果が示唆された。今後も地域にいながらにして、大学などの教育機関や認定看護師などの専門家による教育支援を望む声も多く寄せられたことより、さらに継続して教育支援をしていくことの必要性が示された。本研究は、離島地域を含む県内の総合病院において緩和ケアに携わる看護師の実践上の悩みや困難感を解決するための教育支援であり、その意義は大きい。
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Research Products
(9 results)