2010 Fiscal Year Annual Research Report
緩和ケア病棟入院中のがん患者の家族を対象とするサポートグループに関する研究
Project/Area Number |
20592555
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
奥原 秀盛 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (60288066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白尾 久美子 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (80269703)
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Keywords | 緩和ケア / 家族 / サポートグループ / 質的研究 |
Research Abstract |
がん患者や家族の支援方法のひとつとして、当事者同士が集い語り合うサポートグループ(以下SGと略す)が注目されており、参加による心理社会的効果が明らかにされている。しかしながら、その多くは患者本人を対象として外来や地域で運営されており、緩和ケア病棟に入院中の患者の家族を対象とする研究報告は見当たらない。そこで我々は、総合病院の緩和ケア病棟において、「家族同士の語らいの会」と称するSGを導入し実践している。 本研究の目的は、SGの参加者がグループの中でどの様な経験をしているのか、SG参加は闘病中及び死別後の家族にとってどの様な意味を有しているのかを探求することである。今年度も緩和ケア病棟のラウンジで週1回60分間の「家族同士の語らいの会」を継続的に開催した。開催回数は41回(昨年度41回)、参加者数は延べ106名(昨年度69名)、うち2回以上参加した者23名(昨年度10名)と、昨年度よりも参加者数、複数回参加者共に増加した。本会に2回以上参加した者のうち、死別後6ヵ月以上が経過し、心身共に安定し研究協力の同意の得られた家族5名に半構成的インタビューを行い、質的帰納的に解釈した。その結果、参加した家族にとってSGは、<分かってもらえるから話せる><自分を納得させる場>、<みんな一緒なんだと安心できる場>、<一体感のなかで慰められる場>となっていた。真に分かりあえる者の存在そのものが家族にとって大きな慰めとなっており、SGは今後の家族支援の重要な方策と考えられる。
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Research Products
(1 results)