2011 Fiscal Year Annual Research Report
死を看取り続ける看護師に対する命への向き合い方に即した支援方法の開発
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20592560
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
近藤 真紀子 (前田 真紀子) 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 准教授 (70243516)
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Keywords | 看取り / 看護師 / 悲嘆 / バーンアウト / 尺度開発 / 介入研究 |
Research Abstract |
最終年度である本年度は、看護師の看取りに対する態度・能力を客観的に評価するための測定尺度として、H20・21年度に作成した「命への向き合い方尺度」とは別の観点から、新たな尺度開発を行った。目的:終末期ケアに従事する看護師の力量尺度を開発する。方法:1)用語の定義:力量=ある特定分野において卓越した能力を有すること、2)対象:全国のがん診療拠点病院一覧及び緩和ケア病院のある病院一覧から、無作為抽出した病院に勤務する看護師の内、上司・同僚・後輩から、終末期ケアについて卓越した能力を持つと一目置かれている者。対照群として、1~3年目あるいは4~6年目の看護師。3)調査方法:自記入式留置郵送法。4)調査内容:(1)力量尺度原案37項目、(2)基本属性。分析方法)統計ソフトSPSS ver17 for Windowsを使用。5)倫理的配慮:所属先の研究等倫理委員会の承認を得た。結果:項目分析により天井効果・フロア効果の認められた1項目を削除後、因子負荷量4.0以下の項目を削除しつつ因子分析(主因子法、Promax回転)を繰り返し行ない、6因子を抽出した。対照群との差の検定(t検定・分散分析)において、各因子の平均得点の差に有意差の見られなかった2因子は弁別力に欠けると判断し、削除した。その後、再度因子分析を行い、最終的に3因子で収束した。第1因子は【卓越したケア基準の明確化】を表す5項目(α=.84)、第2因子は【果たすべき使命の明確化】を表す6項目(α=.79)、第3因子は【死生観の確立】を表す2項目(α=.87)であり、尺度全体の累積寄与率=47.8%,α係数=.87であった。考察:本尺度は、看護師の看取りに関する力量を簡便に測定でき、PCU配置へのレディネス把握などに幅広く活用できると予測され、今後は尺度の信頼性・妥当性について検討する予定である。
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Research Products
(2 results)