2010 Fiscal Year Annual Research Report
「聴く」ことに焦点をあてた神経難病患者のための看護継続教育プログラムの開発
Project/Area Number |
20592565
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
原 三紀子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (90291864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小長谷 百絵 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (10269293)
佐藤 紀子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (80269430)
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Keywords | 聴く / 神経難病 / 看護師 / こころのケア / 看護継続教育プログラム / 聴く技術の振り返り / 聴き方のVariation / 体験学習 |
Research Abstract |
本研究の目的は看護師が神経難病患者の話を「聴く」ことを成立させているものや困難にしているものを抽出し、「聴く」ことに焦点をあてた看護継続教育プログラムの試案を作成することである。神経難病患者の看護経験がある看護師14名に半構成的面接を行い、聴くことで心がけていること、聴くことに伴う困難に関連した文脈を抽出しカテゴリ化し、質的に分析した。看護師は、【関係性の形成】、【こころのケア】、【看護計画立案の情報収集】などを目的に聴くことを心がけていた。その一方で、患者の話を聴くための気持ちの切り替え等を含めた【聴くための準備】や、患者の気持ちを傷つけてはいけないとの思いから聴いた話の返し方など【会話の深め方】に困難を感じていた。そして、こうした困難は、看護師に【切なさ】【苛立ち】などの負の感情を引き起こしていた。 これらの結果をもとに、日頃の聴き方を振り返ることを目的とした聴く技術の見直し」、会話を深める聴き方を学ぶことを目的とした「聴き方のVariationを広げる」、神経難病患者の特性を踏まえて聴くことを目的とした「神経難病患者の理解を深めて聴く」の3つの教育プログラムの要素を抽出した。これらの要素から教育プログラムの試案を作成し、教育方法の有用性を確認するために体験学習を中心としたセッションを開催した。聴く体験学習は、「傾聴の重要性を再確認する」、日頃の「聴き方を振り返る」ことにつながっていた。また、神経難病患者の話を聴くことに伴う負の感情の対処は自己流の場合が多く、「聴く力」を養う上でも感情のコントロール方法について取り上げてほしい等の教育的ニーズがあることが確認された。したがって、本教育プログラムでは、聴き方を見直し、聴き方のVariationを広げる体験学習を充実させることに加えて、聴くことに伴う負の感情体験の対処に関する教育的介入方法を発展させていくことが、今後の課題になると考えられた。
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Research Products
(4 results)