2010 Fiscal Year Annual Research Report
口唇裂・口蓋裂児をもつ母親の次子妊娠に関するサポートシステムの開発
Project/Area Number |
20592614
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
中新 美保子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00319998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
升野 光雄 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00389024)
森口 隆彦 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (10111816)
山内 泰子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (40246038)
三村 邦子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (50258266)
稲川 喜一 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90268615)
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Keywords | 口唇裂・口蓋裂 / 遺伝カウンセリング / 母親 / 次子妊娠 / サポートシステム |
Research Abstract |
本研究の目的は、口唇裂・口蓋裂児をもつ母親の次子妊娠に関するサポートシステムを開発することである。平成22年度は前年度に引き続き、口唇裂・口蓋裂のチーム医療における遺伝医療専門職(臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラー)の役割を明らかにすることを目的に、遺伝外来を受診した非症候群性口唇裂・口蓋裂児の母親にアンケート調査と半構成的面接を行った。 前年度とあわせた遺伝外来受診者は34名、アンケート協力者は26名、面接協力者は10名であった。 次子妊娠も口唇裂・口蓋裂になるのか知りたいと思った母親は20名(78%)で、医師などに尋ねたものは半数であった。遺伝外来には確率や原因、将来にわたる対応(将来や結婚、幼稚園での生活など)の情報を求め、時期は児が病気(CLP・CL)だとわかった早期を望でいた。遺伝外来の受診により情報や精神的サポートを得たことや児が困った時や将来の子どもについて聞ける場所があることを知ったことに価値を見出していた。面接においても、遺伝外来受診後8割の母親は肯定的な反応を示し、その後も次子妊娠を望む気持ちが語られていた。また、母親自らが遺伝専門職の存在やその有効性に対する情報を発したいとの意見もあった。遺伝外来の受診は次子妊娠を冷静に考える場としての役割と母親からの仲間への発信という波及効果があることが示唆された。 口唇裂・口蓋裂児をもつ母親の次子妊娠に関するサポートシステムには、専門家(臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラー)による遺伝カウンセリングが加わることが有用と考える。症候群性かどうかの確定診断に基づいたフォローや勉強会での遺伝に関する情報提供ばかりでなく、遺伝に関わる問題の相談窓口としての存在が価値あるものと考えられる。 以上の結果を受けてチームカンファレンスを開催、(1)チームのメンバーにこの結果を周知(2)遺伝外来に関する情報を加えた新しいリーフレットを作成した。
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Research Products
(3 results)