2010 Fiscal Year Annual Research Report
対人関係形成が困難な子どもと家族の生きる力を支える養護教諭のケアガイドライン開発
Project/Area Number |
20592640
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
池添 志乃 高知女子大学, 看護学部, 教授 (20347652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 綾美 高知女子大学, 看護学部, 教授 (90172361)
時長 美希 高知女子大学, 看護学部, 教授 (00163965)
坂本 章子 高知女子大学, 看護学部, 助教 (80553495)
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Keywords | 対人関係形成 / 養護教諭 / ケアガイドライン |
Research Abstract |
【研究課題】既存の文献やこれまでの研究結果をふまえて発達障害や不登校など対人関係の形成が困難な状況にある子どもと家族を支援するケア行動を明らかにし、導かれた結果をもとに『対人関係形成が困難な子どもと家族の生きる力を支える養護教諭のケアガイドライン(案)』を作成し、評価をもとにさらに洗練化し、最終版のケアモデルを導いた。 【成果】家族看護エンパワーメントモデルをもとに対人関係形成が困難な子どもと家族の生きる力を支えるための効果的な支援を導いた。すなわち対人関係形成が困難な子どもと家族の生きる力を支える養護教論の支援とは子どもと家族が直面している体験を理解した上で、子どもと家族との《援助関係を(の)形成》し、子どもと家族が学校生活や地域の中でその人らしく生活していくことができるよう、子どもと家族の生きる力を支える《支援》を行うことである。子どもと家族との《援助関係の形成》には、〈子どもと家族の尊厳を守り権利を擁護する〉、〈子どもと家族の主体性を尊重する〉、〈関係者とつながり子どもと家族の全体像を描く〉、〈関係を育む〉、〈自己の価値観や先入観を洞察する〉、(健康的な側面を把握し強化する)、〈学校組織でかかわる〉が含まれる。養護教諭は、これらの姿勢をもって子どもと家族との援助関係、すなわちパートナーシップを形成し、支援行動の基盤としている。そして、《介護キャリアの基盤を支える看護》には、〈家族の日常生活・セルフケアの強化〉、〈情緒的支援の提供〉、〈家族教育〉、〈家族の対処行動・能力の強化〉、〈家族関係の調整・強化、コミュニケーションの活性化〉、〈連携の強化〉、(家族の発達課題の達成への支援〉、〈子どもと家族の意思決定の尊重〉が含まれる。すなわち、養護教諭は、子どもと家族が自らの子どもらしさや家族らしさを保持しながら健康的な日常生活を営むことができるよう〈家族の日常生活・セルフケアの強化〉を図る。そしてカウンセリング力を生かしながら計画的に家族と面接を行い、心の安定、セルフエスティームを支え〈情緒的支援の提供〉を行う。家族と協働しながら、共感性スキルやコミュニケーションスキル・ポジティブ思考スキルを強化するなど対人関係に関わるスキルを獲得できるよう〈家族教育〉を行う。さらにストレスマネジメントスキルの強化などの〈家族の対処行動・能力の強化〉や認め合い、関係性の確立を図るよう〈関係性の強化〉を図るよう支援する。また自らの限界を認議し学校組織、他の関連機関とのつながりをもち、コーディネートしながら家族自身の〈連携の強化〉を図る。家族の発達段階を捉えその〈発達課題達成を(への)支援〉しつつ、常に子どもと家族の〈意思決定を(の)尊重〉し、意思決定の歩みに添った支援を行う。以上の結果から、『対人関係形成が困難な子どもと家族の生きる力を支える養護教諭のケアガイドライン』最終版を作成した。
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