2009 Fiscal Year Annual Research Report
一般病院・診療所における認知症看護プログラムの開発
Project/Area Number |
20592661
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
三重野 英子 Oita University, 医学部, 教授 (60209723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末弘 理恵 大分大学, 医学部, 助教 (30336284)
甲斐 博美 大分大学, 医学部, 助教 (80443894)
吉岩 あおい 大分大学, 医学部, 助教 (70363570)
浜口 和之 大分大学, 医学部, 教授 (60180931)
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Keywords | 認知症 / 一般病院・診療所 / 看護プログラム |
Research Abstract |
本研究は、一般病院・診療所において、認知症以外の疾患・外傷等の治療・療養目的で入院する認知症患者とその家族に適切な看護を提供するためのプログラム開発を目指すものである。平成21年度は、看護師側からみた認知症看護の課題と要点を明らかにすることを目的に、一般病院の病棟看護師(看護師長を含む)を対象に郵送法による質問紙調査を実施した。調査票は、回答者の背景、看護の構造・プロセス・アウトカム、認知症看護に対する評価・課題で構成した。その内容は、研究者メンバーに加え、認知症看護認定看護師2名および一般病院に勤務する看護師2名との協議により決定した。調査票は、X県内の一般病院119施設の内、看護部長より研究の承諾を得た55施殻(46.2%)の病棟看護師544名に配布した。調査期間は平成22年2月15日~3月31日である。なお本研究は、大分大学医学部倫理委員会の審査を受け、承認を得た後に実施した。 調査の結果、回答数は340名(62.5%)であった。回答者の平均年齢は40.1歳で、約7割が認知症ケアに関心をもっていた。平成21年4月から調査時点の間、認知症と診断されている患者を20名以上受け入れた経験がある者は182名(53.5%)であった。初期看護計画立案時の情報の重要度は、「入院目的の疾患の状態」「入院までの経過」が「認知症の原因疾患」「患者の生活史」に比べ相対的に高かった。看護の常時実施率が30%未満の項目は、「身体拘束」「せん妄予防」「室内環境調整」「カレンダー・時計を置く」であった。認知症看護の満足度は、満足に比べ不満足の割合が高かったが(10.6%<38.8%)、認知症看護にやりがいを感じている者は123名(36.2%)であった。認知症看護の最重要課題として8割以上の者が、ゆとりある看護に向けた「人員確保」や「勤務体制の工夫」、「統一した看護」をあげていた。
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