2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592665
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
工藤 朋子 公立大学法人 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (50305265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 まゆみ 公立大学法人岩手県立大学, 看護学部, 教授 (20305254)
蛎崎 奈津子 公立大学法人岩手県立大学, 看護学部, 講師 (80322337)
藤村 史穂子 公立大学法人岩手県立大学, 看護学部, 助手 (90438086)
田口 美喜子 公立大学法人岩手県立大学, 看護学部, 助手 (50468112)
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Keywords | 看護学 / 遺族ケア / 遺族サポーター / 遺族ケアシステム |
Research Abstract |
本研究の目的は、大切なご家族を亡くした方を地域でどのように支えていくか、遺族支援システムの構築を検討することである。平成21年度は岩手県二戸市浄法寺総合支所と検討を重ね、保健推進員等を対象に研修会を開催、遺族と保健師の橋渡し役として遺族サポーター17名を認定した。その後、遺族サポーターの活動状況を把握、フォローアップ研修会を開催する予定だったが、活動の意識付けや支援方法に関する具体的な説明が不十分だったため、機能していない状況が明らかとなった。そこで平成23年1月から、民生委員20名の協力を得て、遺族の見守り活動を開始した。具体的には、担当地区で死別後2カ月以上経過した家族(特に子ども・配偶者を亡くした方)を訪問、相談窓口に関する案内等の配布、「お体に関する回答用紙」の配布・回収をしてもらい、民生委員が訪問で感じたことを記載する「連絡票」と共に支所に届けてもらった。3月末までに民生委員12人が訪問を実施し、14世帯18人分の回答用紙が届けられた。保健師と研究メンバーが情報を共有し、民生委員に状況を確認しながら、必要時、遺族への電話相談や家庭訪問を実施した。その後、継続的に保健師が支援するケースもあった。民政委員の感想として「訪問をきっかけにいろいろな話ができて良かった」「民生委員の力だけで支援が必要な方を見つけ出すのは難しい」などがあげられた。活動の成果として、民生委員が実際に訪問することで活動の意義と必要性を確認できたこと、専門職の継続的な支援へとつなげられたことなどがあげられる。しかし、見守り活動継続の負担感、支援を必要とする方の見極め、専門職への橋渡しの判断など今後の課題も見出された。以上の成果・課題をふまえ、今後の遺族ケアシステム構築のあり方について「活動報告書」としてまとめ、支所に最終報告を行った。
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