2008 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者のrecoveryを促進する看護師の態度に関する研究
Project/Area Number |
20592678
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
桑名 行雄 Osaka Prefecture University, 看護学部, 教授 (90258848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
来栖 清美 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (10368813)
山口 知代 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (10405334)
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Keywords | 精神障害者 / recovery / 精神科看護師 / 態度尺度 |
Research Abstract |
3ケ年計画である本研究の最終目的は、精神障害者のrecoveryを促進させる看護師の態度モデルの構築(試案)を行うことにある。平成20年度は、日本におけるこれまでの精神医療福祉における事象について、事例や当事者の手記、文献を検討し、recovery概念の適応及び日本におけるrecovery概念の特徴を明確にすることを目的とした。recoveryに関連するデータの収集・分析を中心とした研究実施計画に基づく具体的内容を以下に記す。 1.JocobsonとGreenly (2001)のrecoveryに関する概念モデルを参考にし、我が国における精神障害者のこれまでの状況、特に当事者の内面的状態(希望、癒し、エンパワメント、結びつき等)について、文献、事例、当事者の手記等からデータを収集した。それらにより、日本におけるrecovery概念の適応、日本におけるrecovery概念の特徴等を明らかにした。 2.recoveryに関する外面的問題として、人権に関しては、大阪精神医療人権センター、日本精神障害者リハビリテーション学会、全国精神医療労働組合協議会の主催講演会、分科会に参加した。これらを通して、当事者及び専門家らからの情報・専門的知識の提供を得た。 3.recovery推進に寄与していると考えられる目標を掲げている作業所等を全国から選出し、北海道、和歌山、大阪等計5ヶ所を訪問・資料収集し、内容や特徴等を明らかにした。また、当事者とのかかわりを継続的に強化し、相談体制の準備を行った。 4.研修会への参加、有識者を招聘し開催した研究協力者との研修会等を通じて、研究協力者がデータ収集する際に重要であるインタビューの知識や技術について、また、データの分析方法等における知識や留意について準備を行った。 以上の成果は、次年度の研究目的である、当事者へのインタビューの実施により当事者が感じた看護師の認識等を明らかにすることに寄与し、当事者のrecoveryに影響をあたえた項目の抽出と質問調査用紙の作成、そして、海外視察・情報収集を具現化する重要性をもつ。
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