2008 Fiscal Year Annual Research Report
在日ベトナム人薬物依存症者の入院経験とその看護に関する研究
Project/Area Number |
20592679
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
瀧尻 明子 Kobe City College of Nursing, 看護学部, 助教 (70382249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 貞親 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (00295776)
植本 雅治 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (90176644)
松葉 祥一 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00295768)
三浦 藍 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (10438252)
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Keywords | 在日ベトナム人 / 薬物依存症 / 精神科看護 / ヘロイン |
Research Abstract |
1.ベトナム人ヘロイン依存症者受け入れ病院看護師への調査 K市内精神科病院看護部責任者に調査協力を求め、依存症治療病棟で在日ベトナム人患者に関わった経験を持つ看護師の紹介を受けた。11名の看護師に1時間程度のインタビュー調査を行なった。現在逐語化したデータを分析中である。 2.在日ベトナム人ヘロイン依存症者への調査 研究協力者であるNGOベトナムin KOBEスタッフとともに、入院経験の有無を問わず地域で生活するベトナム人ヘロイン依存症経験者宅を訪問した。これによって、薬物依存症者の生活の状況を概観するとともに、対象との信頼関係を築き、今年度行なう予定のインタビュー調査につなげることが出来ると考えている。調査説明書、同意書のベトナム語訳が完了し、2名に対してプレインタビューを行なった。 調査1の結果からは看護師がベトナム人患者と関わる上での困難性、問題点や、抱きやすい感情、対応で工夫している点などが明らかになる。これらは、ベトナム人のみならず在日外国人全般へのより良い看護を考えるための一助となる。また調査2では、ベトナム人特有の看護ニーズが明らかとなり、社会文化的背景を考慮したケアや治療環境を構築するうえでの検討材料となる。 3.ベトナム国ヘロイン依存症治療・社会復帰訓練の現状視察 ベトナム北部クアンニン省薬物依存症収容・社会復帰訓練施設、南部ティエンザン省にある物質依存症治療専門病棟を備えるティエンザン病院及びホーチミン市の民間薬物依存症治療・社会復帰施設を視察した。これによって、ベトナム人薬物依存症者が抱く依存症治療、社会復帰のあり方に関するイメージを理解することが出来た。在日ベトナム人が依存症治療に抵抗感を抱かず、日本での現状やベトナムとの相違点について情報提供したり、誤解を訂正することによって早期に医療機関につなげることも可能となると考える。
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