2008 Fiscal Year Annual Research Report
三年間の追跡調査に基づく在宅神経疾患患者と家族への緩和マネジメントのモデル開発
Project/Area Number |
20592691
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 景一 Tokyo Women's Medical University, 看護学部, 教授 (00191883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 修平 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (30145122)
渡辺 弘美 淑徳大学, 看護学部, 教授 (70075448)
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Keywords | 神経・筋疾患 / 在宅ケア / 緩和マネジメント / 症状マネジメント / 健康関連QOL / 抑うつ |
Research Abstract |
本研究の目的は、3年間の追跡調査の成績を基に、在宅における神経・筋疾患患者とその家族への緩和マネジメントのモデルを開発することである。ここで述べる緩和マネジメントとは、神経・筋疾患患者の疫学調査を行い、神経学的なアウトカムを測定し、症状マネジメントを中心とする緩和ケアを提供するという一連のシステムである。在宅神経疾患患者を対象に開発される緩和マネジメントモデルは、わが国では端緒についた段階にある。そこで、本研究から得られたデータの解析によって、在宅における主要な神経・筋疾患とその障害度別に必要とされる緩和マネジメントの内容を把握できると期待される。平成20年度は、ベースライン調査を実施中である。すなわち、A大学病院神経内科を平成16年1月1日から平成20年12月31日の問に生存退院した神経・筋疾患患者1500名のうち、べースライン調査時点で20歳以上であり、調査参加への同意の得られた方を対象とした。研究デザインは、同一対象者へのベースライン調査時点から2年後までの3回の継続追跡調査に基づく前向き観察研究である。調査内容は、プロファイル、神経疾患に多い身体的および精神的側面の症状の発現状況、健康関連QOLの状況、申請者らの開発による日生活遂行上の困難度を測定する5次元構成のアウトカム指標、日生活行動の障害度:KatzのIndex of ADLの一部修正版尺度、および抑うつ尺度である。以上から得られたデータは、一般線形モデルと構造方程式モデリングの解析方法を用いて、疾患・障害度・年齢階級別の症状発現の内容を精査して、疾患に特有な症状の内容を把握する。また、疾患に特有な症状とアウトカム指標値との関連性を検証する。この結果から、ソーシャルネットワークの機能不全などの、緩和マネジメントに欠如しやすい内容を予測して指摘することも可能であると考えられる。
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