2010 Fiscal Year Annual Research Report
三年間の追跡調査に基づく在宅神経疾患患者と家族への緩和マネジメントのモデル開発
Project/Area Number |
20592691
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 景一 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (00191883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 修平 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (30145122)
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Keywords | 緩和マネジメント / 緩和ケア / 症状マネジメント / 早期緩和マネジメント / 在宅ケア / 健康関連QOL |
Research Abstract |
退院時点から1年ごと2年後の2回の追跡調査の疫学的調査成績を基にして在宅神経筋疾患患者とその家族への緩和マネジメントのモデルを開発した。観測データは、患者側が、症状・障害度(Katz身体的ADLの筆者修正版)・健康関連QOL(SF-8日本語版)、うつ傾向(CES-D10日本語版)、筆者が開発した在宅生活のアウトカム指標、睡眠の質であり、家族側がStrain(アウトカム指標の一部)の状況である。本研究の実施に当たりT大学倫理委員会審査の承認を得た。第1回調査の対象者数は、239名(平均年齢61.1歳)であり、第1回の対象者に対する第2回調査の対象者数は、157名であった。神経筋疾患の緩和マネジメントと特に関連が深い有症状の割合(%)は、第1回調査(第2回調査)において、発熱:10.2(15.3)、疲労感:71.1(79.0)、目眩:32.0(43.3)、関節筋慢性痛:47.1(62.4)、痺れ:52.0(57.3)、震え:29.3(34.4)、浮腫み:29.3(42.7)、無気力感:43.6(57.9)、不眠:29.3(43.9)、視覚:48.0(57.3)、聴覚:26.8(35.0)、易転倒:42.7(54.7)、息切れ:30.2(42.7)、筋脱力感:49.3(55.5)、および麻痺:35.6(43.9)となり、いずれも2年後に症状発生率が創価傾向にあったで。さらに症状のうち、特に睡眠の質に影響を及ぼしているのは、疼痛、痺れ、震え、痙攣であり、症状の有無は健康関連QOLに対しても障害度より大きな影響を与えていた。身体的ADLの障害が軽度であっても症状の発生率が高い。以上から開発したモデルは、(1)早期から緩和ケアマネジメントを開始する、(2)支持的ケア段階とエンドオブライフケア段階に分ける、(3)対象者の障害度別に症状と苦痛の程度を同定し標準的緩和ケア内容を記述するモデルである。
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