2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20605004
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
武田 竜弥 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (90254127)
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Keywords | 産業博物館 / 産業遺産 / 産業観光 |
Research Abstract |
2008年度は、新潟県、石川県、京都府、鳥取県、島根県、鹿児島県、沖縄県の産業博物館(企業の展示施設等を含む)28館について、その規模、展示内容、展示方法、広報、アクセスなどに関する調査を行なった。またあわせて産業博物館以外の歴史博物館等24館、展示施設を持たない産業遺産11箇所を視察し、各地域の産業史および産業文化財について情報を得るとともに、関連の資料を収集した。調査対象とした地域のうち、特に注目されたのが、佐渡であった。佐渡はかつての金銀山跡を中心に豊富な産業遺産に恵まれているにもかかわらず、2007年にユネスコの世界遺産に登録された石見銀山などと比較すると、必ずしも認知度が高くはなく、産業観光も十分に発展していない。その理由の一つは、佐渡における産業博物館の整備の遅れにあると考えられる。そこで筆者は、従来型の博物館とエコミュージアムという2つの観点から佐渡と石見の現況を比較し、その問題点を明らかにするとともに、佐渡における産業観光の活性化策を取りまとめ、日本感性工学会感性社会学部会冬季研究発表会(静岡大学)において発表した。さらに前年度までの研究成果を著書『日本全国産業博物館めぐり』(PHP研究所)として出版し、今年度の調査結果を加味して、日本の産業博物館の現状に関する論文を執筆した。そのほかこれと並行して、博物館学、観光学、産業史、産業遺産等に関する書籍を購入し、研究課題を遂行するうえでの基盤研究を進めた。
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