2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20605004
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
武田 竜弥 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 准教授 (90254127)
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Keywords | 産業博物館 / 産業遺産 / 産業観光 |
Research Abstract |
平成21年度は、山形県、新潟県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県の産業博物館(企業の展示施設等を含む)42館について、その規模、展示内容、展示方法、広報、アクセスなどに関する調査を行なった。またあわせて、産業博物館以外の郷土資料館、歴史博物館等36館、展示施設を持たない産業遺産50箇所を視察し、各地域の産業史および産業文化財について情報を得るとともに、関連の資料を収集した。前年度に比べ、調査対象となった博物館の数が大幅に増えたのは、これらの地域においては比較的小規模な施設が併存している状態にあったからである。数が多いだけに、各博物館の規模や展示内容等の充実度はまさに玉石混交であったが、そうした中でも特に優れていると判断されたのが、田川市石炭・歴史博物館、佐賀県立九州陶磁文化館(以上、公立博物館)、九州鉄道記念館、ゼンリン地図の資料館、TOTO歴史館、中冨記念くすり博物館、三菱重工業長崎造船所史料館(以上、企業博物館)の7館であった。中でも田川市石炭・歴史博物館は、市民が一体となって地域の産業遺産を守り伝えようとするという姿勢が鮮明で、産業博物館のあるべき姿を考えるうえで大いに参考になると思われた。研究成果の公開については、前年度に着手した佐渡鉱山と石見銀山の比較研究を継続し、その成果を日本感性工学会第11回大会(芝浦工業大学)で口頭発表した。またそれとともに、関連の論文2編(いずれも査読有)を日本感性工学会論文誌(8巻4号および9巻2号)に発表した。そのほか基礎的な研究については、博物館学、観光学、産業史、産業遺産等に関する書籍を購入し、次年度の調査のための予備研究を行なった。
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