2008 Fiscal Year Annual Research Report
市民参加による淀川水系生物環境総合調査とその博物館学的意義
Project/Area Number |
20605021
|
Research Institution | Osaka Museum of Natural History |
Principal Investigator |
中条 武司 Osaka Museum of Natural History, 学芸課, 学芸員 (80321917)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 惣 , 学芸員 (50435880)
波戸岡 清峰 , 学芸員 (70250256)
志賀 隆 , 学芸員 (60435881)
|
Keywords | 博物館 / 市民調査 / 淀川 / 自然環境教育 / 情報発信 |
Research Abstract |
淀川は大阪最大の河川であり、大阪に住む市民にとってはとてもなじみの深い川である。その一方で、水系全体にわたる統一的な自然環境調査はほとんどなく、自然情報の一元化とそれに基づいた公開は十分には行われていない。本研究では、身近な河川である淀川の自然環境調査を市民と共に実施し、市民の自然環境保全意識の向上と、博物館での情報を一元化とその情報発信のモデルケースを構築する事が目的である。 市民と共に淀川の自然環境調査を実施するプロジェクトを、淀川の頭文字をとって「プロジェクトY」と名付け、博物館友の会を中心とした市民に参加を呼びかけている。平成20年度は、本格実施初年度で、各班に分かれての研修・調査の実施と、淀川の自然環境の概要理解、調査マニュアルの作成を中心に行った。研修・調査は、研究分担者および研究連携者などが講師となり、水質班、水草班、甲虫班、鳥班、プラナリア班、フジツボ班などが独自に実施した。その中でも、水草班では外来植物で問題になっているボタンウキクサの季節消長や、絶滅危惧植物であるアサザの再発見など重要な成果が出つつある。また、魚班、貝班、カブトエビ班などはマニュアル作成を中心に行い、平成21年度春から研修・調査を実施すべく準備中である。 この1年でプロジェクトYの参加は160人を超え、その連絡はメールマガジンと、アドレスを持たない参加には郵送で行っている。これにより、調査参加者は現在どのような調査が実施されているかを知る事ができると共に、新たな調査参加へのきっかけへとつながっている。また、調査に参加した人だけでなく、広く社会に活動を発信するためのホームページを作成・公開した(http://www.mus-nh.city.osaka.jp/project_yodogawa/)。調査に伴って収集された標本情報の蓄積もはじまっており、次年度以降はこれらの情報をホームページに盛り込んでいく事により、さらに広範な市民の参加を促す事ができるであろう。
|
Research Products
(9 results)