2008 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー治療機器の高機能化を目指したレーザー打診法の開発
Project/Area Number |
20612010
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
橋新 裕一 Kinki University, 理工学部, 准教授 (90156266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 人志 近畿大学, 理工学部, 准教授 (20257968)
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Keywords | レーザー治療 / レーザー打診法 / レーザー誘起音 / CO_2レーザー / 生体組織 / 光音響法 |
Research Abstract |
レーザー治療における対象生体組織の識別が、レーザー打診法によって可能になるかどうかを調査した。レーザーはパルスおよび連続発振CO_2レーザーである。その成果を次の通りまとめた。(1)レーザー打診法としての信号(レーザー誘起音)を得るに必要な最低レーザーエネルギー密度(P_d)を明らかにした。ゼラチン(蛋白質)の場合はその含水率によってP_dが異なる。同じ赤身腿肉でも牛と豚では異なり、脂、肉芽の割合によってもP_dは異なる。しかし、その違いは予想以上に小さかった。硬組織である皮質骨、半月板、軟骨は比較的均質な組織であるため、P_dの個体差は小さかった。(2)各種生体組織の組織標本を作製し、比較対象とするベースを蒐集した。紫外から赤外に及ぶ光吸収スペクトルを測定し、整理した。腿肉組織のレーザー照射による影響を調査した結果、その変性状態と影響範囲、光吸収スペクトルへの影響が明らかになった。(3)レーザー誘起音発生機構を解明するため、高速度CCDカメラによる観察結果を精査した。その結果、CO_2レーザーは水分に強く吸収されるため、生体組織中の水分が爆発的に蒸発し、次いで気泡を組織内に形成し、その気泡が破裂する際に音波が発生することが明らかになった。(4)本研究ではあらゆる全ての生体組織のレーザー誘起音特性データを蒐集・解析し、データベースを構築する必要がある。現在までに12種の組織のデータを得た。誘起音の音圧レベル、波形および周波数を解析した結果、組織の識別が可能であることが明らかになった。したがって、レーザー打診法は極めて有効な方法であることを確信した。
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Research Products
(7 results)