2008 Fiscal Year Annual Research Report
低出力インピーダンス高調波空洞による空間電荷力の緩和実験
Project/Area Number |
20612021
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
入江 吉郎 High Energy Accelerator Research Organization, 加速器研究施設, 教授 (00124173)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 健一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 研究支援推進員 (30044770)
福本 貞義 , 名誉教授 (90029637)
吉井 正人 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 大強度陽子加速器計画推進部, 准教授 (00200931)
|
Keywords | 大強度陽子加速器 / ビーム負荷 / 低出力インピーダンス / 空間電荷効果 / 高調波加速空洞 |
Research Abstract |
本研究は、パルス中性子源として世界最高の陽子ビーム強度を有する英国ラザフォード研究所のISISシンクロトロンに我々が開発した低出力インピーダンス高調波空洞(L__-ow O__-utput I__-mpedance Cavity、略してLOI)を実装し、空間電荷力の緩和に関する実験的研究を行うものである。平成17年8月の総合試験においてビーム実験に必要な高周波電圧は得られたが、駆動段電圧波形が大きく歪んだものとなった。この歪みは、空洞のチューニング制御(共振状態に保つこと)に悪影響を及ぼす為、取り除く必要がある。この観点から、以下の研究計画を立案した。 (1)平成20年5月〜6月のオフビーム実験 駆動段電圧波形の歪みの原因を究明し取り除く努力をする。また、ビーム試験に備え、ISIS制御室より供給される高周波信号により、位相、振幅に関する制御試験を行なう。 (2)平成20年8月〜9月のビーム実験 以上の計画だったが、平成20年5月の試験において、陽極電源出力端の平滑コンデンサーが短絡し破損した。原因は、絶縁油中の不純物が考えられるが特定されていない。この事故の復旧作業に残りの日程を当てた。同8月には、波形歪みの原因を究明する為、フェライト空洞を電気的特性がより簡単な純抵抗負荷に切替えて試験を行った。しかし、波形歪みに大きな変化はなかった。現在、この波形歪みにはチョークインダクターの高次共振モードが寄与しているのではないかと考え、回路シミュレーションによる確認、及び高次モードを除去する方法に着いて研究している。
|
Research Products
(2 results)