2009 Fiscal Year Annual Research Report
低出力インピーダンス高調波空洞による空間電荷力の緩和実験
Project/Area Number |
20612021
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
入江 吉郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (00124173)
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Keywords | 大強度陽子加速器 / ビーム負荷 / 低出力インピーダンス / 空間電荷効果 / 高調波加速空洞 |
Research Abstract |
本研究はパルス中性子源として世界有数の大強度ビーム出力をもつ英国ラザフォード研究所のISISシンクロトロンに、本研究で開発した低出力インピーダンス高調波空洞(Low Output Impedance Cavity、以下LOIと略)を実装し、空間電荷力の緩和に関する実験的研究を行うものである。LOIの増幅器を、従来の低出力インピーダンス増幅器として知られるカソードフォロワーと比較した場合、本器は広帯域特性に優れ、且つ電圧ゲインが20倍以上大きいという特長を有する。 平成21年度の研究目標は本LOI装置の最終調整を終了し最初のビーム実験を行うことである。最終調整では、先ず駆動段電圧歪みの問題を解決しなければならない。アノードチョークの高次共振モードが原因しているのではないかと疑い、これらのモードを減衰させる方法を考案し実験を行った。しかし、多少の改善は見えたものの捗々しい結果は得られなかった。また、フェライト空洞に高電圧を発生するにはこれを共振状態に保つ必要がある。これは終段3極管のグリッド入力電圧(駆動段電圧に同じ)と空洞電圧の位相を比較し、これをフェライトバイアス電源へフィードバックすることが必要である。今回、このフィードバック回路の動作試験を開始した。 ビーム実験を行うには、本LOI装置をシンクロトロン内へ移設しなければならない。本年度はこれに伴う配線作業、冷却水配管工事の一部を完了した。
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Research Products
(1 results)