2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20670001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多賀 厳太郎 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (00272477)
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Keywords | 発達 / 大脳皮質 / 自発活動 / 音楽 / 言語 / 視線 |
Research Abstract |
・大脳皮質の機能的発達における領域固有性と一般性 睡眠中の3ヶ月児に、複数の純音のランダムな音列刺激を与えた時の脳活動をNIRSで計測し、繰り返し与えられた刺激への応答が、側頭葉だけでなく前頭葉や後頭葉で見られることを見いだした。信号の位相の変化に着目し、刺激への位相同期より領域間相互の位相同期の方が強いこと、側頭から後頭および前頭へと位相勾配が生じることを明らかにし、皮質ネットワークにおける信号の流れを可視化した。 ・大脳皮質の自発活動に見られるネットワーク構造の発達 生理学研究所において、成人の安静時の脳の自発活動について、NIRSとfMRIとの同時計測を行った。脳の同じ領域から得たNIRS信号とfMRI BOLD信号との間に基本的な対応関係があることがわかった。前頭領域や後頭領域で計測されたNIRS信号は、fMRIの信号の全脳の相関解析で得られたデフォルト・注意・視覚ネットワークなどの機能的ネットワークと高い相関を持つことがわかった。 ・言語・音楽の発達 乳幼児が発話したときの母音の音声から、調音器官の運動を逆推定するモデルを構築した。乳幼児の発話の特徴を音韻空間と調音空間とで比較することが可能になった。3ヶ月の乳児に一定のリズムの音楽を呈示したときに、音楽に同期した四肢運動が生じるかどうかを3次元動作解析装置で計測した。研究を行った一部の乳児で位相同期を示すデータを得た。 ・視線に反映する認知発達 10ヶ月児が、視空間の高低と音声のピッチの高低との間の対応関係に基づいて、消失した視覚刺激の視覚的探索を聴覚刺激を手がかりに行うかどうかを調べるため、アイトラッカーによる視線計測を行った。乳児が視聴覚共応による予見的な探索を行うことを支持する結果を得た。
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Research Products
(17 results)