2008 Fiscal Year Annual Research Report
外部混合状態を考慮した大気エアロゾルの特性研究への新展開
Project/Area Number |
20671001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
持田 陸宏 Nagoya University, 高等研究院, 特任准教授 (10333642)
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Keywords | 大気化学 / エアロゾル / 外部混合 / 質量分析 / 気候変動 |
Research Abstract |
エアロゾル中の微量な粒子成分の質量スペクトルの取得や、その酸素原子を含むフラグメントイオンと含まないイオンの分離検出などを目的として、飛行時間型エアロゾル質量分析計を調達し、名古屋大学の実験室内において試験的な運転を行った。そして、エアロゾル粒子の飛行時間の差にもとづく真空空気力学径の測定や、電子衝撃による分析装置内のイオン化効率の算出方法など、同エアロゾル質量分析計の運転に必要となる基本的な操作および手続きについて確認した。ただし、エアロゾル質量分析計の運転の詳細については、検討が望まれる部分が浮かび上がっている。その後、分析装置を構成する真空ポンプの不調により、エアロゾル質量分析計を用いた検討を一時中断したが、当該年度のうちに装置は復旧しており、次年度以降には本格的な実験や観測を実施できると考えられる。 本研究課題では、大気エアロゾル粒子の乾燥粒径および吸湿性ごとに、その物理化学特性を明らかにすることを目標に掲げている。そこで、吸湿特性測定用タンデムDMA (HTDMA) (DMAは微分型電気移動度分析器を表す)を用いて、大気エアロゾル粒子をその吸湿成長因子別に分離して別の測定器に導入する実験を、本課題と他のエアロゾル研究の連携によって、東京において実施した。これにより、名古屋において実施する予定である、HTDMAと新規調達したエアロゾル質量分析計等を組み合わせた大気エアロゾル観測のための予備的な検討を行うことができた。
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