2009 Fiscal Year Annual Research Report
免疫系の恒常性維持および破綻機構の解明に基づく自己免疫疾患の治療法開発
Project/Area Number |
20679005
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安友 康二 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30333511)
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Keywords | 自己免疫疾患 / ゲノム解析 / Tリンパ球 / Notch / 細胞治療 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
本年度は各種の稀少免疫関連あるいは炎症性疾患に対するゲノム解析を実施するとともに、新しい症例サンプルを蓄積した。近親婚歴を有する全身性エリテマトーデスの大家系を用いたゲノム解析を実施し、候補領域を狭小化することに成功した。さらに、Tリンパ球が選択的に欠損する免疫不全症候群について、全ゲノムエクソン解析を実施し、罹患者間で共通して変異のある遺伝子を同定することに成功した。いずれも、候補領域および候補遺伝子についてDNAシークエスを実施し、原因遺伝子の同定研究を進行中である。 Notchシグナルと免疫調節に関する研究では、Notchシグナルがインターロイキン22の発現を調節するシグナル系であることを解明した。Tリンパ球に強制的にNotchシグナルを導入するとインターロイキン22の発現が上昇した。一方で、Notchシグナルが欠損するマウスを樹立し、そのマウスを卵白アルブミンで免疫した。免疫10日後に所属リンパ節を採取し、Tリンパ球でのインターロイキン22の発現を観察すると、その発現は著明に低下していることを見出した。Notchシグナル依存的なインターロイキン22発現は、肝臓の炎症応答の収束に重要な役割を担っていることが明らかになった。また、Notchによるインターロイキン22の発現調節は直接的な転写調節によるコントロールではなく、aryl hydrocarbon receptorを活性化する因子を調節することに依存していることを解明した。以上の結果から、Notchシグナルは自己免疫疾患などの炎症性疾患の治療標的になりうると考えられた。
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Research Products
(8 results)