2011 Fiscal Year Annual Research Report
宍道湖と中海を繋ぐ大橋川の汽水域生態系における生物群集の長期的変動
Project/Area Number |
20681001
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
倉田 健悟 島根大学, 汽水域研究センター, 准教授 (40325246)
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Keywords | 汽水域 / 感潮河川 / ヤマトシジミ / ホトトギスガイ / 底生生物群集 / 個体群動態 / 気候変動 / 河川改修 |
Research Abstract |
日本最大の汽水域である宍道湖・中海水系において汽水性二枚貝類のヤマトシジミとホトトギスガイの個体群を調べた。本調査は2005年11月より継続しており、ここではこれまでに得られたデータを元に報告する。 宍道湖と中海を繋ぐ島根県大橋川において、上流(宍道湖側)から下流(中海側)まで定点を設けておよそ毎月の頻度でサンプリングを行った。最も下流側の地点をO-1とし、最も上流側の地点をO-5として、大橋川の流心部の水深が4~5m程度の場所で船上からスミスマッキンタイヤ型採泥器を1回下ろし、採取された堆積物を0.5mmのサーバネットに入れて水中で細かい泥を落とした残渣をポリエチレン袋に入れて持ち帰った。実験室で0.5mmと2mmのふるいを用いて2mmふるいの上に残ったものからヤマトシジミとホトトギスガイを選別した。2mmふるいを抜けて0.5mmふるいに残ったものは10%中性ホルマリンで固定して後日に処理を行うために保存した。選別されたヤマトシジミとホトトギスガイの個体数と総湿重量を測定し、各地点の試料につき約300個体(300個体より少ない場合は全ての個体)の最大長(ここでは殻長と呼ぶ)をノギスを用いて測定した。 2005年11月から2013年3月までのO-5におけるヤマトシジミの個体群密度の経時変化を見ると、冬季に密度が小さく、夏季に密度が大きい傾向が見られた。密度の大きい夏季について年による差異を比較すると、2010年は他の年より密度が小さかった。宍道湖のヤマトシジミの資源量の減少が近年、地域の深刻な問題となっているが、大橋川のヤマトシジミの個体群密度は宍道湖のそれより数倍大きく、他の生物種も含めて大橋川は高い生物量を持つ生息場であると言える。ホトトギスガイの個体群密度もまた、同様に年変動が大きく、継続的なサンプリング調査によって2種の個体群の動態を今後も追跡する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)