2009 Fiscal Year Annual Research Report
誤差発生要因の最小化による高安定長ストロークサブナノ位置決めシステムの実現
Project/Area Number |
20686011
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉岡 勇人 Tokyo Institute of Technology, 精密工学研究所, 准教授 (90361758)
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Keywords | 位置決め / サブナノメートル / 超精密 / リニアモータ / レーザ計測 / 誤差要因 / 熱変形抑制 |
Research Abstract |
平成21年度は,所期の目的である長ストロークサブナノ位置決めテーブルシステムの実現を目指し,段階的に研究を遂行することで以下の成果を得た. (1) 案内要素,駆動要素,制御システム,構造配置,構造材料など対して,可能な限り力学的・熱的に理想的な状態となるよう実際のシステムの詳細設計を行ない,テーブルシステムの構造体を製作した.具体的には,永久磁石予圧式多孔質空気静圧軸受,ハイブリッドリニア駆動機構,超高分解能レーザ干渉計を独自に設計・開発することで,完全非接触構造,重心駆動,重心計測,熱対称構造,熱変形抑制構造を同時に満足するテーブル構造を実現した. (2) 長ストロークかつ高精度な駆動を実現するハイブリッドリニア駆動機構の詳細設計を行い,ボイスコイルモータおよびボールねじ機構を組み合わせた駆動機構を実現した.さらにそれぞれの駆動機構の特性を考慮した上でその構造,配置,制御系などの最適化を行なった. (3) 構築した位置決めテーブルシステムに対して,微小位置決め特性,長ストローク位置決め特性などについて実際に駆動特性評価実験を行なった結果,サブナノメートルの位置決め分解能の実現,および数百ミリメートルの駆動におけるナノメートルオーダの目標値追従特性を有することを確認した. 以上より,新たに開発したサブナノ位置決めテーブルシステムの有効性を確認した.
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